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「1年生獲得大作戦?」
「そのとおーり!!」
目の前でキラキラと目を輝かせわたしに熱く語るのはゴリラであり剣道部の部長でもある近藤ゴリラ。
「勲ォォォォ!!俺の名前ゴリラじゃなくて勲だから!!!!」
「ごめんね、わたし正直でさ。」
「いや、あ、うん。そんなに素直に謝るとは。」
「あ、でも撤回しないからゴリラ。」
「なんなの凛華ちゃん!?俺なんかした!?」
「やられすぎて困ってる。」
ぎゃあぎゃあ騒ぐ近藤ゴリラを見て笑うわたし。この人弄られキャラだよな。からかうのがすごく楽しい。
「それにしても、1年生まだ部活入ってないの?」
「1年は姫路野が転校してくる3日前に入学してきたんでさァ。」
そう説明してくれたのはいつの間にか横にいた沖田。彼は暇さえあればちょっかいを出してくるちょっとした暇人。
「誰が暇人でィ。」
「あんただよ......って勝手に人の心の中読むな!」
「わかりやすいあんたが悪いんでさァ。」
「そういう問題じゃないでしょ!お願いだからプライバシー守ろうよ!」
「ぷらいばしー?ナニソレオイシイノ?」
「誰かこいつの脳味噌掻き回してー。できればぐちゃぐちゃ程度にー。」
あぁ、どうしてこいつは転校初日からちょっかいを出すのだろうか。しかも楽しんでるし。なんでわかるかって?顔がまさに悪って顔してるから。
「で、新入生獲得計画って?」
「あぁ、そのことなんだか。」
今度は割り込んで瞳孔開いた男が話しかけてきた。確か名前は土方だっけ。
「実は剣道部の新入生獲得を狙っていたんだが、うちの剣道部は残念ながらマネージャーがいねェ。」
「マネージャー?募集したらいんじゃないの?たくさんくるでしょイケメン揃いだァって。」
「.......あったねィ、そんな時。」
「おかげで練習には集中できねーわ特定の奴しか世話しねーわで大変だったんだよ。」
だから辞めさせた、とイライラしながら呟く土方に同情した。
「お前だったら色目とか使わねーだろうからな。」
「......ごめん、わたしそこまで男盛りの人じゃないわ。」
あの人かっこいいねー、ぐらいは言うけどファンクラブまで作ってその人追いかけてぎゃあぎゃあ騒ぐ女ではない。
「けど近藤さんが華がなかったら新入生も入って来ねーだろということで、お前に頼みがある。」
「......なに?」
剣道部員であろうゴリラ、土方、沖田、そして地味っぽい人がわたしの前に立ちはだかった。
ごくり、唾を飲む音が教室に響く。
「剣道部のマネージャーになってくれ。」
「いいよ。」
「即答かよ!」
「え、あ、うん。」
突然の即答に驚いたらしい。
「だって面白そうじゃん?銀ちゃんから色々聞いてたんだよね銀魂高校の剣道部。」
「そういえば旦那、剣道部の顧問だったねィ。」
「サボってるけど一応ね。けど面白い奴等がたくさんいるぞォって聞いてたからちょっとどうしようか迷っててたんだ。」
ちょうどよかった、そう呟けばなんだか笑えてきた。
「ということでお世話になります。」
「じゃあ正式に凛華ちゃんがマネージャーに決まったことだし、早速新入生獲得計画立てるぞォ!!」
「へいへーい。」
「はぁ、仕方ねーな。」
「......やっと雑用から抜け出せれる。」
新入生獲得計画
「いやァ凛華ちゃんのおかげでたくさんの部員が入ってくれたよガハハッ!」
「本当に急に入ったねー。1年生目ギラギラにして入ったよね。そんなに剣道したかったんだね。」
「(......あいつらやっぱり生半な気持ちで入りやがったな。みっちり鍛えねーと。)」
「鈍感だねィ。」
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