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ぱちっ


「......?」


目を開けたら見知らぬ天井が映っていた。辺りを見たら少し小汚ない。天国、てわけでもなさそうだ。


今気づいたが、わたしの体にはあちこち包帯や絆創膏など応急手当がしている。そして、


「いてっ!」


あの致命傷のお腹も知らない間に縫われたらしい、少し痛む。そのお腹を押さえながら布団から起き上がる。


「起きたか?」


その声と共に空いた障子。思わず戦闘体制に入る。しかし人物を確認し力が抜ける。


「し、白夜叉......。」


「俺のこと知ってんだな。」


まあこっちに座れ、そう手招きされ布団の上で正座する。白夜叉は持ってきた食料を渡してきた。


「い、いらない。大切な食料だろ?」


「いいから怪我人は黙って食え。」


「しかしここまでやられる筋合いはない。わたしはただの赤の他人だ。」


「他人じゃねーよ、仲間だろ?」


仲間、その言葉を口にされ少し戸惑う。


「な、仲間なんかじゃない。」


「仲間だろ。同じ目的に進んでいく俺らは仲間だ。」


すると突然皿の上に置いてある林檎をわたしの口に突っ込まれる。ビックリしながらも噛んで、飲む。甘い香りが広がる。


「お前、ひとりだったろ。」


「......それが。」


「仲間のために死なねーとか言ってたな。」


「......。」


「本当はさァ、」


ひとりで死んでいくのが寂しかったんじゃねェの?


その言葉がわたしの胸に突き刺さり、突き刺さった場所から出た液は涙として出てきた。ぽたぽたと布団を濡らしていく。


「さ、みしいに決まってんじゃん。当たり前だよ!!!」


「うん。」


「今までわたしの周りにはたくさんの人がいたのに、いつの間にかいなくなってた!!!」


「うん。」


「問い掛けても叫んでも誰も出てこないの当たり前だよね!!死んでるんだから!!!」


「......。」


「誰も、誰もいない!!!」


この世でわたしを一人にしないで、孤独を教えないで。誰か。


その問い掛けに答えるように白夜叉がわたしのぐちゃぐちゃの頭を抱え込むように抱き締める。


「お前は強い、頑張った。もう大丈夫だ。」


「うっ......。」


「ひとりじゃない。俺がいる。」


「うわあああぁぁぁああ!!!」


孤独という呪いから解放された時、わたしは人を求めるときに使う叫びを覚えた。







サムライハート







「ひ、ぐっぅ。」

「......笑って泣いてよ、あいつらに見せてやれ。生きてるってことを。」

「う、ん。」

「あっちに言ったら手土産話にでもしてやれ。」

「......ど、して白夜叉はわたしのためにしてくれる?」

「......いい侍魂持ってるけど儚いやつだな、て思ったから。」

そう言って笑う白夜叉の瞳は噂の怖い瞳なんかじゃなく、優しいものだった。




BGM:SPYAIR 「サムライハート」


 
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