あー、なんかさっきよりも心地いい。 ふわふわした感じ、うふふ。 ん?あれ、痛いぞ。気のせいかな? やっぱ頬がなんか、いた、いたたた。 「いたァァァい!!」 「おぉ、いい目覚めでさァ。」 そこにいたのは私の頬で遊んでいる総悟。なんかコイツ今まで以上に黒い笑みなのは気のせい? 「ふぉうほ、いふぁい。(総悟、痛い。)」 「すいやせんねィ。俺ァ豚語はわかんねーんでさァ。」 「ふぁれがふただァァァ!!(誰が豚だァァァ!!)」 「ブヒブヒ鳴いてらァ。」 「いいふぁへんなふほ。(いい加減泣くぞ。)」 「……仕方ねー。」 パッと総悟の手が離れる。 私は自分の頬を摩った。これ絶対赤くなってるわチクショー。 「……で?総悟はどうしてここにいるの?」 「そりゃァ体育館裏でグースカ寝てる奴を見つけやしてねィ。」 「え、」 「こりゃチャンスだと思い、」 ニヤリ、黒い笑みが浮かぶ。 「ま、まさか……。」 その時ポンと肩に手を置かれた。 「捕まえやした。」 「ギャアアァァァァ!!」 よりによって……よりによってなんで私は総悟に捕まったァァ!? 「ああぁぁ、昼寝するんじゃなかった。」 「昼寝じゃなくて夕寝だけどねィ。」 ニヤニヤ、まだ笑みは消えない。 「……で、鬼さんご命令は?」 「お、聞いてくれるんかィ?」 「約束だからね……。はぁ。」 「なら最後の溜息やめなせェ。」 「ごめん、これだけは……。はああぁぁぁ。」 「さてどんな命令にしやしょうか。」 「ごめんなさい溜息止めるんでドS級の命令止めて下さい。」 「凛華に命令する権限ありやせん。」 「うぅ。」 この野郎絶対やばいやつを要求してくるよ、まじどうしよう、私まだ死にたくないよ。 「凛華。」 「は、はい!!」 総悟がガッと腕を掴む。 「?な、なに?」 なんか、段々と総悟の顔が近くなっている気が、する。 「そ、総悟。」 「じっとしてなせェ。」 やばい!! ギュッ、と目を閉じる。 その時、 「ひゃ!!」 首にザラザラした感じ。しかもなんか熱いしくすぐったい。 「〜〜〜っ。」 「凛華。」 なにこれなにこれ!?何が起きてんの!? チクッ 「!」 首元に鈍い痛み。これは? その時、総悟が離れた。 「よし。これでお前は今日から俺のモンでィ。」 「え、」 今、なんとおっしゃいました? 「だからお前は俺のモン。」 「エスパーかコノヤロー。じゃなくて……、え?」 「断る権限なんかないでィ。」 総悟は立ち上がり後ろを向いた。 「さっき印つけやしたから。」 「し、るし?」 「後で首見なせェ。」 じゃ、と総悟は早歩きでどこかへ消えてしまった。 私は何が起こったかいまいちわからずその場に固まるしかなかった。 蜂蜜よりも甘い 「凛華!!」 「ん?何神楽。」 「首蚊に刺されたアルカ?」 「……え?」 「赤くなってるヨ。」 「ま、まさか……。」 首元には貴方の所有物である印。 |