「う、んっ……。」


まだ重たい瞼を開け擦る。


随分と寝たな。なんで寝てたんだっけ?


「………。」


あ、


「鬼ごっこ!!」


がばっと勢いよく身体を起こすと


ゴチンッ


頭が何かとぶつかった。


「〜〜〜〜。」


声にもならない痛さに頭を抱える。すると頭上から声がした。


「、てェェエ!!何こいつ!!すげー石頭じゃねェか!!」


「ぎ、銀ちゃん?」


ギャアギャアと騒いでいたのは銀ちゃんだった。なんで銀ちゃんがここにいるの?


「お前まじふざけんなよオイ。銀さんのパーフェクトヘッドが傷付いたらどうすんだコノヤロー。」


「もう手遅れだから大丈夫だよ。」


「え、どういうこと?今の発言聞き捨てならない。」


「だーかーらー、頭は既にパァな状態になってるから今更刺激を加えようがもう手遅れ、てこと。」


「おま、ちょ、天パ馬鹿にすんなよ?天パ様馬鹿にすんなよ?」


「大丈夫!馬鹿にしてるのは天パじゃなくて銀ちゃんだから!!」


「こいつゥゥ!!」


「キャハハハ!!」


銀ちゃんは私の頬を抓ろうと必死に腕を伸ばしてくる。私はそれを笑いながら阻止していた。


「うお?」


「きゃっ!」


どさっ


バランスを崩してしまい床に倒れる。私の上には馬乗りした銀ちゃん。


「〜〜〜っ。」


急に恥ずかしくなった私は銀ちゃんから目を反らす。


「なあに凛華ちゃん?急に目ェ反らして。」


「べ、別に何でもないもん。」


「じゃあこっち向けよ。」


「や、やだ……。早くどいてよ。」


「やだ。俺凛華ちゃん捕まえたからね。凛華ちゃんに俺を命令する権限はありませーん。」


え、


「私銀ちゃんに捕まえられたの!?」


あまりの驚きに銀ちゃんの方向を向く。


「お、やっとこっち向いた。」


「あ、……。」


顔が熱くなるのが自分でわかる。私はまた横を向こうとした。


ガシッ


「ひゃ、」


「逃がさねーよ。」


それは銀ちゃんの手によって阻止された。膝をついたからか先程よりも断然距離が近い。


「ぎ、銀、ちゃん。」


「……なァ、凛華ちゃんよォ。」


キラリと赤い瞳の奥が光る感じがした。
 
 
「俺さー、結構ガキでよォ。」


「?」


「我慢ってモンを知んねーの。」


ニカ、と笑う。


「悪ィな。」


「え、」


次の瞬間、私と銀ちゃんの距離が0センチになった。


銀ちゃんの唇が私の唇を塞ぐ時間は長かった。私の顔も徐々に熱くなる。


「はっ。」


やっと離れた口は酸素を吸おうと必死に呼吸をする。


「ぎ、銀ちゃ、」


私の言葉を銀ちゃんは人差し指を私の唇に置き、止めた。


「……鬼からの命令。


俺と秘密の関係、始めねー?
 
 
 
 
 
 
 
銀色の恋心
  
 
 
 
 
 
 
「……私、と秘密の関係?」

「おう。大好きな凛華じゃねーと無理。」

「そ、そんな恥ずかしいこと言って……!!」

「もっと言ってやろーか?」

「あ、う……。」

「可愛いなオイ。……で返事は?」

「……ぎ、銀ちゃんとなら、してあげても、いい。」

「ったく、素直じゃねーな。」

私達の恋はそこら辺にあるピンク色ではなく、いつまでも光沢を忘れない銀色に輝いていた。

 
 
 
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