「はぁ、はぁ。」


久々に走ったもんだから短時間走っただけでもすぐ息が上がる。


「こ、こは……。」


体育館裏だ。体育館あるし中から部活の声が聞こえる。


私は少し疲れたのでその場に座った。


サァァァァッ


風が私の間を通り抜ける。汗をかいたところが涼しくて気持ちがいい。


「ふふ、楽しいな。」


久しぶりだな、こんなスリルがある遊びをするのは。


私達は高校3年生。みんな受験受験で忙しい日々を送っている。本当は今も忙しいはずだ。


それなのに全く危機感がないのか、はたまた受験生の自覚を持っていないのか3Zは先生以外承諾してくれた。


ほんと、馬鹿なやつらばかりだな。


「ま、私もその一員だけど。」


もう少しで卒業。その言葉がとても痛くて寂しい悲しい。


あと数ヶ月したらみんなそれぞれの道を進むため違う方向に歩いていく。


今度会うのは数年後の同窓会の時かな?


だから今のうちに馬鹿なことやって同窓会かなんかの時に「あんなことやったよね!」という変な思い出を残したいのだ。


「あー。」


ついつい気持ち良くなりその場に寝転ぶ。
 
 
ここはあまり人が通らない。だから見つかる確率も低いだろうから安心して寝転ぶことができる。


「………。」


この時、ふと頭を過ぎるあいつの姿。美しく凛としていた。いや、少し美化しすぎたかもしれない。


どうせ、どうせ見つかるならあいつがいい。あいつに見つかって少しでも長い時間、同じ空気が吸えるならそれで幸せ。


「……私って変態。」


いや、変人か。うーんわからない。でもみんなもこの幸せ、わかるでしょ。


ボーッとしていると瞼が重くなるのを感じた。


少しだけ、寝ようかな。


次目が覚めた時はあいつがいますように。


そう心に願いながら、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
鬼ごっこ開始!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私が夢の中にいる頃、滅多に通らない道に人影がひとつ。


それは徐々に私に近づいてきた。


そして、


「捕まえた。」

 
 
 
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テーマ「人外ファンタジー」
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