「えー、じゃあルールの方をおさらいさせて頂きます。」


待ちに待った放課後、私達3Zはグランドに集合し今回の審判役、新八が説明をする。


「制限時間は下校時間の7:00までです。ルールは簡単、鬼からひたすら逃げましょう。ただし捕まったら鬼と一緒にグランドに集合してください。」


「「「はーい。」」」


「また、捕まった人は鬼の条件を必ず呑みましょう。」


「「「はーい。」」」


「鬼は男子、逃げるのは女子。場所は学校内ならどこでもいいです。」


「説明ありがとー。」


新八の肩をポンポンと叩く。


「じゃあ、始めよう。」


カチ


カチ


カチ


カチ


カチ


キーンコーンカーンコーン


学校内にチャイムが響き渡る。その瞬間、私達女子は全力疾走で逃げ出した。


鬼は30秒数えてから追い掛けてくる。その間にできるだけ遠くに、遠くに逃げなければ……!


「凛華!ここでお別れネ!!」


校舎内の途中、神楽と共に行動していた私は急に別れを切り出された。


「えぇ!?どうして!?」


「集団で固まってたらすぐ捕まるヨ。ここはバラバラになるのが安全ネ。」
 
 
「な、なるほど。」


こういう時は頭の回転が速い神楽。あ、間違えた。こういう時だけは速いんだよね。


「わかった……。名残惜しいけど、神楽またね!」


「凛華!後でボコボコにしてやるから覚えとけヨ!」


ダダダダダッ


神楽ちゃんは風のように去っていった。


「もしかして、口に出てた……?」


やば、私まじでこの世とおさらばじゃん。どうしようこの鬼ごっこ終わったら私の命危険だわ!


とりあえず一旦それは置いといて、逃げよう。


私は廊下を走る。


タタタタッ


「!」


足音が聞こえる。私は物に隠れた。


「いたか!?」


「チッ、いねーや。」


「おかしいな。ここらで声がしたんだが……。」


トシに総悟にゴリラだ。あ、危なかったわ。


私は気づかれないようにその場を後にした。
 
 
 
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