「お、鬼ごっこってお前なァ。餓鬼の遊びじゃあるめーし。」 「鬼ごっこは餓鬼の遊びであり大人の遊びでもあるの。」 「大人の遊び……?」 キラン、と銀ちゃんの目が光る。 「変な想像すんなヨ、マダオ。」 「誰がマダオだァァァ!!」 「「銀ちゃん。」」 「神楽と凛華、後で覚えとけよ。」 「ねー、神楽。鬼ごっこ楽しいよねェ?」 「私もやりたいアル!!」 人の話を聞けよ!、と叫ぶ銀ちゃんを無視し私は神楽に話し掛けた。 「うふふ、面白そうね。私も参加するわ。」 お上品に笑い片手をあげる妙ちゃん。さすがだわ! 「お妙ちゃんがやるなら僕も……。」 「はいはーい!!お妙さんが参加するなら俺もします!!」 九ちゃんに近藤さん(と書いてゴリラと読む)が参加表明をする。 そして次々に手を挙げてくれる3Z。 「ほ、ほら!みんなやりたいって。」 「けどなー、」 中々承諾をしてくれない銀ちゃん。多分怠いが理由だろう。 「なら条件付き鬼ごっこならどうでィ?」 「条件付き?」 ニヤリと怪しく笑う総悟。 「鬼に捕まった奴は鬼の言うことをひとつ聞く、てのはどうでィ。」 「なにそれ面白そー!!」 私は後ろにいる高杉君の方を向く。 「高杉君もやろ?」 「ヤろ?大胆な誘い方だな。」 「ちょちょちょ待て。カタカナじゃない。平仮名平仮名。」 「言葉的には一緒だ。」 「てか連れてこうとすんなァァァ!!」 高杉君が掴む腕をブンブン振り回す。なんとか離すことに成功した。 「そっちじゃなくて鬼ごっこ!鬼ごっこしようよ。」 「………だりィ。」 「えー、やろうよー。条件付きだよ?」 「………。」 「絶対楽しいよ。」 「……めんどい。」 「そこをなんとか、ね?」 「………。」 「お願いします!」 「……今回だけだからな。」 「さすが高杉君!」 手を取りブンブン振り回す。高杉君は心底迷惑そうな顔をしていた。 「銀ちゃん!」 銀ちゃんの前で手を合わせる。 「……仕方ねーな。放課後、だな。」 「ぎ、銀ちゃん!!」 こうして暇つぶし鬼ごっこ(条件付き)がスタートしようとしていた。 |