キーンコーンカーンコーン


学校全体にチャイムが響き渡る。と同時に生徒たちはそれぞれの荷物を持ち、目的地へと帰っていく。


そんな中私は少し緊張、いやかなり緊張しながら教室の席で姿勢正しく待っていた。


「.......。」


「いい?ちゃんと送ってってもらうのよ。」


「ま、大丈夫でしょ!」



無責任な野郎どもめえええええ!!!


「しかも学校のアイドルに送ってもらうのよ!?」


「うらやましいいい!!」



なら変わってよこの野郎。


もう既に誰もいない教室で静かにひとり呟く。


ただ帰ってるだけ、それだけだったのにあのストーカー野郎のせいでこんな目にあわされた。


別に嫌じゃない。寧ろ貴重な体験だと思うから今のうちに経験しとこうとか思う。けど、帰るだけでこんなに緊張するとは思わなくて。


ちなみに今の心臓はやばい。もう例えがないくらい激しく動いている。


「はああー。」


ばたり、と顔が机に落ちる。もう緊張しすぎて疲れた。


ちなみに今沖田くんは部活動中。なんでも剣道部に入っているそうだ。私は部活が終わるのを待っている。


部活が終わるのは大体7:00ぐらいらしい。いつもならサボっていると言っていたが今回はちゃんと出ろとマヨ野郎さん?に言われたらしい。


「......。」


ポケットにある携帯をとる。


ロックを解除し、アプリで暇つぶしをしようとしていた。その時、


ブーブー


「!」


メールが届いたのだろう、携帯が震えた。私はいつもの感じでメールを開く。


「ブハッ!」


画面を見てびっくりしてつい吹き出してしまった。画面にはこう書かれていた。


『剣道場来い。沖田』


なんでメアド知ってんの!?というか私呼び出されてる!?


急いで私は携帯をポケットに入れ、カバンを持ち教室を出た。


疑問はあったがなんか急な用事っぽそうだったので急いで行くことにした。










―――――――――.......










やっとついた剣道場。


私は恥ずかしながら物覚えが悪く、学校の位置も友達についていくのが当たり前だった。だから剣道場という私から遠いものはわからないわけで。


というか辿り着いたのは自分でも褒める。自分偉い。けど、


「入っていいのかな.....?」


もし着替え中とかだったら私は晴れて明日から覗き魔だ。


「沖田くーん。どこにいます」


「ここでィ。」


ぎゃあ!?!?


後ろから急に声をかけられた。犯人はもちろん沖田くんである。


「け。色気もねー声、」


そこで沖田くんの声は止まった。


「お、沖田、く。」


言葉がうまく喋れない。ひゃっくりが出て私が発したい言葉を遮る。


「凛華....。」


「え、え?」


沖田くんはそっと私の頬に手を当てて「何か」を掬った。


「??」


もしかして、わたし....、


「泣いてる?」


「俺から見たら。」


「え、嘘。本当に?」


慌てて目の前を隠す。恥ずかしすぎて恥ずかしすぎて。


「......悪ィ。


「い、いや。こっちこそ。」


「怖いよな。」


そう言って彼は優しく微笑んだ。


そうか、私は怖かったんだ。急に後ろから声をかけられてびっくりして。沖田くんじゃなくてあのストーカーだと思ったんだ。


ポンッ


ふと頭になにかがある感覚がある。上を向いてみたら沖田くんが手をのせていた。


そして左右へと優しく撫でていく。そのぎこちなさがなんか安心した。







寂しい放課後






期間限定の付き人さんなのに、こんな優しさもらってもいいのだろうか?

でも、これぐらいならもらってもいいよね?




長くなってすみません(;-;)


 
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