( 1/2 ) 「………いい?わかってる?」
冬になりすっかり日が落ちるのが早くなった頃。
古びた家に住んでいる私達は「作戦会議」をしていた。
「へィへィ、つまりこういうことだろ?
俺がそいつの家入って、んだけ?世界一大きなダイヤモンドだっけか?それを盗めばいい話。」
「お前ってやつは……。話を聞けェェ!!」
ドゴッ
「ぐふっ!?」
話を聞かない銀ちゃん、通称銀の猫にアッパーを腹に喰らわせる。
「おま、ちょ、手加減しろよ……。」
「聞かない銀ちゃんが悪い。」
ぷいっと顔を逸らし怒った態度を見せる。
「ごめんごめん。じゃあ最初から。」
「もう二度はないからね。」
「はいはい。」
私達はふたり合わせて銀の猫。
名前の由来は銀ちゃんの銀色の髪に私の印象が猫(自由人)だったため。
もちろん警察は銀の猫はひとりだと思っている。それが面白くて堪らない。
そして私達は役割分担をしている。
銀ちゃんが実行に移す係、つまり怪盗さん。私は作戦を練る係、つまり影の怪盗さん。
大切なので二回いっておこう。私達はふたり合わせて銀の猫なのだ。
「まずはいつも通り無線機器持っていてね。」
そう言ってイヤホンみたいな耳にはまる小さな機器を渡した。
銀ちゃんはそれを慣れた手つきで耳にはめていく。
「それでこの家の配置なんだけど、」
「おう。」
「これが厄介でね、こう行ったら……、」
私達はこうしていくつもののお宝というお宝を盗んできた。
実は私達がお宝を盗むのには「ある理由」がある。
その「ある理由」にはお宝を盗むという項目も入っている。
私達ふたりの本業は「裏・万事屋銀ちゃん」。
おっとお喋りが過ぎたみたいだ。ここまでにしておこう。
まあまあ、そんなに焦るなよ。
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