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ピッ ピッ
一定の音が部屋に響く。真っ白い天井に壁、そしてベッド。その横には大掛かりな機械が置いてある。そこから長い管が伸びており管はベッドで寝ている病人につけられていた。
病人は固く目を閉じたままピクリとも動く様子がない。それを近藤警部、土方警部補佐、沖田巡査部長は心配そうに見ていた。
「......まだ起きないのか。」
「医者の話によると今はまだ昏睡状態らしいでさァ。」
「しかし3日も昏睡状態じゃ、後が怖いな。」
「......だな。」
ベッドで寝ている彼女は世間を騒がしていたあの銀の猫のひとりらしい。名前も調べてみてわかった。彼女は姫路野凛華という。あの松陽とかいう男が経営していた児童養護施設にいたひとりだ。
「そういえば、まだやつは現れていないのか。」
「やつ?......あぁ、銀髪ヤローか。」
「近藤さん、残念ながら姿も目撃証言もありやせん。結構探してるんだけどねィ。」
「あのヤロー、仲間を見捨ててひとり逃走か?」
「......。」
あの悲劇から3日後の今、総理も汚点がバレてその上彼女を銃で撃つという罪を犯した。総理は殺人未遂の容疑で逮捕した。今も刑務所の中で絶望の顔で刑務所生活を送っている。
また、総理に仕えていた使用人は現在も行方不明。顔は割り出せているが逃げ足がいいのか未だに捕まる気配がない。今後とも捜査を続ける。
捕まる気配がないといえばもうひとつ、あの銀の猫の傍ら坂田銀時だ。彼はあの事件以来一切顔を出さずまた仲間を置いてけぼりにしている。彼も捕まえれる絶好のチャンスを逃してしまった。だがもう傍らは捕まえたも同然。居場所ぐらいわかるだろう。吐かせればいい話だ。
「しかし銀の猫がそんな奴だとは思えんなァ。」
「人間怖くなったら誰でも逃げる時はあんだろ。例え仲間を捨ててでもな。」
「けどなー。」
「土方死んでくれないしなァ。」
「お前が死ね!総悟!」
「近藤さん聞きやしたか。俺家庭内暴力受けてやす。」
「お前が先に仕掛けたんだろーがァァァ!!」
「まあ二人共落ち着け!とりあえず一度戻って事件内容をまとめるぞ!」
「っち。」
「仕方ないねィ。」
近藤さんは病室のドアノブに手を掛けここを出るようにと指示した。
「待て近藤さん。誰かここに見張りつけねーと。」
もしものことがあるかもしれない。そう思い提案すると総悟が相変わらずのダルそうな顔で手を挙げた。
「じゃあ俺がいまさァ。だからさっさと逝け。」
「てめ、漢字変換おかしくね!?それわざとだろ!?絶対わざとだろ!?」
「じゃあ、総悟任せたぞ!」
「......あー、きっと煙草切れでイライラしてんだ。」
ぶつぶつ言いながら部屋を出て行った。正直総悟に任せるのは不安だが仕方ない。やつもやる時はやる男だと信じている。
それは彼女が昏睡状態の3日目のことだった。
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