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ある都市から少し歩いたら細い道がいくつも並ぶ。そこの中のひとつを迷いなく進む。


複雑に右に左に歩いて歩いて、住宅街が見える。そこをまた更に突き進むと少し古びた家がある。


そこのドアを開ける。


「あぁぁぁ、疲れたァ。」


ドサッ、とベッドに倒れるこの男は最近世間を騒がしている怪盗銀の猫。


黒のフードをとると世にも珍しい銀髪でひどい天パ、更に死んだ赤い目が特徴的。


と、そこに


「ちょっと銀ちゃん!!どうして私の指示を聞かないの!?」


隣の部屋から出てきたボブに少しパーマがかかったこの女、名を姫路野凛華と言う。


「いやァ、つい楽しくなってよォ。」


よっこらせ、と体を起こしベッドの上に胡座をかいて座る。笑顔は変わらず怠そう。


「あの部屋の右にあるピンクの宝石だったのにィ!!」


「まあまあ、いんじゃねーの?」


「よくないわアホォォォ!!」


ドガッ


「痛てェ!?」


銀ちゃんの頭を思い切り叩く。


「次からはちゃんと指示聞かないと、わかるね?」


「は、はい……。」


ったく、すぐ調子こいちゃうんだから。


「ところでちゃんと出した?予告取消状。」


「おうバッチリ。今頃読んでぎゃあぎゃあ騒いでんじゃね?」


「そうだったら面白いのにねー。」


「つか、ぜってーそうだろ。」


「ふふ。」


あー、一回で言いから見てみたいなァ。慌てているポリスヤロー達。


「なァ、凛華。」


「ん?」


くいくい、と袖を引っ張る横にいるゴツい銀髪。


「お疲れのちゅーは?」


今までと違う笑顔で言う銀ちゃん。しかし私は驚かない。


「いつも言ってるけどなんで?」


「凛華ちゃんのちゅー、欲しい。」


「だァかァら、そんな簡単に上げれるような品物じゃないの。」


手を振りその場を後にしようとしたが、


「凛華。」


背中に言葉を投げ掛けられた。


「俺に盗めねーモンはないんだぜ?」
 
 
 
 
 
 
 
怪盗の内戦状況
 
 
 
 
 
 
 
その時の銀の猫の目は今まで以上に輝いていて楽しそうだった。

私はよくわからなかったが、まあ、勝負を仕掛けられていることだけはわかった。

負けない、私だってやればできるやつだからね。

 
 
 
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