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あ、どーも皆様おはようございます姫路野凛華です。頭の中で誰かが暴れまわっている状態です。ちょ、そこ!静かにしないと近所迷惑でしょ!?大人しくしなさい!
「あー、ガンガンするー。」
昨日歓迎会してもらったところまでは覚えているんだがそこから覚えていない。最後の記憶が沖田さんの「これ飲むと土方菌退治できやすぜィ。」の一言だった。
それからどうやって自分の部屋に行き布団に潜ったのかもわからない。あれー?なんでなんで?
「......これが噂の記憶喪失。すげー。」
とりあえずずっと布団の中に潜ってモヤモヤ考えるのも暇なんで暖かい布団から出る。さようならマイ温もり。
「あっ!」
あるものに気付きそれに近づく。わたしは嬉しくて嬉しくて手に取り振り回した。
「わたしの隊服ぅぅぅぅ!!!」
そう、そこにあったのはわたしの新しい隊服。初女隊士ということもあり短パンにニーハイ。ダサい平隊服は嫌だ!と駄々こねたら特別に隊長格の物を用意してもらった。
予想以上の出来映えに気持ちも跳ね上がる。今なら絶対天国通り越せる。
「凛華ちゃーん、おはよ......ってもう起きてたんだ。」
ススッと障子を開け入ってきた相変わらず地味な地味先輩。あ、気持ちが伝わったのか苦笑いをされた。
「おはよーございまーす、地味先輩。」
「お、おはよ。あ、早速気づいたみたいだね。」
手に持っていた隊服を指差し微笑んだ。
「はい!希望以上のもので本当嬉しいです地味先輩!!!」
「......地味先輩じゃなくて山崎だから。」
笑顔で言われたがなんか怖かったので言い返さなかった。地味先輩、じゃなくて山崎さんごめんなさい。
「じゃあ、話は早いや。早速着替えて。」
「え?こんな時間に?」
「いやいやもう8時だから。」
着替えたら教えて、そう言い残し山崎さんは出ていった。ドダドダと縁側を歩く音が遠くなっていく。
「......着替えるか。」
温もりが残った寝巻きを脱ぎ、一切温もりが感じられない隊服に腕を通す。ひんやりしていて思わず肩が上がる鳥肌がたつ。
「う、うわー。」
着替え終わり全身鏡の前に立つ。なんか本当に入隊したんだと実感させられた。
その時ふと浮かんだ家族の姿。最後に見たのはいつだろう、そしてこれからまた会えるのだろうか。
わたしの中の謎がぐるぐると胸の中で回りしつこく存在感をアピールしていた。それを振り払うように障子を勢いよく開け空気を入れ換える。
「......行こう!」
ドスドスとわざと音を立てながら縁側を歩いていった。
までは、よかった。
「ここ、どこ?」
確かにわたしは入隊した嘘ではない。けど入隊して一度も屯所の中を案内してもらったことはない。全部誰かについていっていた。
というか山崎さんは「着替えたら教えて」と言って出ていった。勝手に出ていかなくてもよかったのでは?
......ま、適当に歩いていれば誰かに行き当たるだろう。
「お?」
早速第一隊士二人組を発見!道を聞いてみよう!
「あのー、すんませーん。」
「ん?」
「あんた誰?可愛い女の子がこんなとこおっちゃいけませんよー。」
「あれ?昨日自己紹介しませんでしたっけ?つかしたよな。「姫路野凛華でーす女の子だようふふ」って紹介したぞ。」
「凛華、ちゃん?」
「そーだけど。」
するとふたりは顔を赤くしたり青くしたり。そしてその場から走って逃げ出してしまった。
「なんだよー......じゃなくてただ道を聞きたかったのにー!!!」
逃げ出すとか鬼か鬼野郎か!!!そんなにわたしを放置してた楽しいか放置プレイか!!!野郎め顔覚えたぞ後でボッコンボッコンにしてやんぞ。
なんだかやけくそになった。頭をわしゃわしゃ掻き口を尖らせながら今目の前にある障子を開ける。
「すんませーん、誰かいませんか、ぁ?」
そこには男という男が集まりに集まって近藤さんと土方さんが前に出て何か話していたがわたしが入ったことによりその会話が止まる。
見た感じ、会議という奴だ。
「あ、邪魔してすんません。」
気まずくなり障子を閉めようとしたが鬼の副長がいつの間にか目の前に来てそれを阻止する。
「お前、姫路野凛華か?」
「姫路野凛華以外に誰がいるんですか馬鹿野郎土方コノヤロー。」
「......姫路野、だな。」
そういうと手で顔を覆い横を向いた。ほんのり耳が赤い。どうしてそんな反応するのかよくわからないが、照れた。変に気まずくなり下を向く。
その瞬間、
「女の子だァァァ!!!」
という叫び声が会議室に響き渡った。
赤い私と黒髪
「え、わたし女の子だよ?その反応どういうこと?」
「いや、昨夜の酒乱を見たらどうしても中身がおっさんにしか見えなくてねィ。」
「それ半分総悟のせいだからな。」
「んなことより土方さん、言うことがあるんじゃねーですかィ?」
「うっせ、さっさと会議進めるぞ。姫路野も座れ。」
「は、はーい。」
ちょっとおまけ→
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