( 2/2 ) 近藤と名乗るゴリラはめそめそ泣き崩れる。
「まじで?警察ってゴリラ飼ってんの?ねぇゴリラって何に使うの?麻薬捜査?」
「……この人は麻薬捜査はしねー。見た目はゴリラでも、一応ここ真撰組の局長だ。」
「……局長?」
「ちなみに局長てのはここ、真撰組のトップですぜィ。」
「うそ。」
「本当だもん!!」
うわ、鼻水だらだらで言われたよ。つか本当にこいつがトップ?
「で、どういうことだ?近藤さん。」
すごい、土方さん。この雰囲気を変える力すごいよ。
「あ、あぁ。だからその凛華ちゃんと隊士を戦わせるやつ、すればいいじゃないか。」
「近藤さんまで……っ!!」
「総悟から話し聞いたが凛華ちゃん、総悟が撃ったバズーカ斬ったんだって?」
「あ、あれ?」
「そう、きっとあれ。」
近藤さんはニカリ、と笑う。
「なら凛華ちゃんは大丈夫だろう。ためしにやらしてみたらどうだ、トシ。」
「……近藤さんが言うなら。」
お?土方さんが折れた。近藤さん、いや、ゴリラすげぇ。
「じゃあ、俺ァ適当に隊士集めてきまさァ。」
「そうだな、ちゃんと相手考えろよ総悟。」
「任せてくだせェ。」
腰を上げ、片手をひらひらと振りながら沖田さんは去って行った。
「さて、俺らも準備するか!」
ドダドダドダと慌ただしくこの場を後にした。
「………土方さんは?」
「は?」
「土方さんは何か準備ないの?」
「近藤さんが全部やってくれんだろ。」
そう言い、手元の煙草に火をつけた。ふぅと煙を吐く姿をじっと見つめていた。
「悪ィ、煙草ダメか?」
「いや、寧ろ好き。」
「好き!?」
「うん、匂い好きだよ。」
「……変わってるな。」
「よく言われる。」
ニコリと笑うと土方さんは鼻で笑い、頭をぐしゃぐしゃに撫でてきた。
「行くぞ。」
「ほーい。」
ただでさえ真っ黒な服が逆光のせいで更に黒く見える。
その背中を追い掛けた。 新世界の扉はすぐそこ 「そういえばてめー、その剣使いどこで習った?」
「てめーじゃねェし、凛華だし。」
「凛華……。」
「えっとね、どこだろう。ごめんね、記憶力悪いんだ、てへ☆」
「記憶力悪いの問題じゃねェぞ!?あと『てへ☆』とかいらねェェ!!」
「まあまあ、独学ということで。」
「………はあ、疲れる。」 ← もどる
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