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近藤と名乗るゴリラはめそめそ泣き崩れる。


「まじで?警察ってゴリラ飼ってんの?ねぇゴリラって何に使うの?麻薬捜査?」


「……この人は麻薬捜査はしねー。見た目はゴリラでも、一応ここ真撰組の局長だ。」


「……局長?


「ちなみに局長てのはここ、真撰組のトップですぜィ。」


「うそ。」


「本当だもん!!」


うわ、鼻水だらだらで言われたよ。つか本当にこいつがトップ?


「で、どういうことだ?近藤さん。」


すごい、土方さん。この雰囲気を変える力すごいよ。


「あ、あぁ。だからその凛華ちゃんと隊士を戦わせるやつ、すればいいじゃないか。」


「近藤さんまで……っ!!」


「総悟から話し聞いたが凛華ちゃん、総悟が撃ったバズーカ斬ったんだって?」


「あ、あれ?」


「そう、きっとあれ。」


近藤さんはニカリ、と笑う。


「なら凛華ちゃんは大丈夫だろう。ためしにやらしてみたらどうだ、トシ。」


「……近藤さんが言うなら。」


お?土方さんが折れた。近藤さん、いや、ゴリラすげぇ。


「じゃあ、俺ァ適当に隊士集めてきまさァ。」


「そうだな、ちゃんと相手考えろよ総悟。」


「任せてくだせェ。」


腰を上げ、片手をひらひらと振りながら沖田さんは去って行った。


「さて、俺らも準備するか!」


ドダドダドダと慌ただしくこの場を後にした。


「………土方さんは?」


「は?」


「土方さんは何か準備ないの?」


「近藤さんが全部やってくれんだろ。」


そう言い、手元の煙草に火をつけた。ふぅと煙を吐く姿をじっと見つめていた。


「悪ィ、煙草ダメか?」


「いや、寧ろ好き。」


「好き!?」


「うん、匂い好きだよ。」


「……変わってるな。」


「よく言われる。」


ニコリと笑うと土方さんは鼻で笑い、頭をぐしゃぐしゃに撫でてきた。


「行くぞ。」


「ほーい。」


ただでさえ真っ黒な服が逆光のせいで更に黒く見える。


その背中を追い掛けた。
 
 
 
 
 
 
 
新世界の扉はすぐそこ
 
 
 
 
 
 
 
「そういえばてめー、その剣使いどこで習った?」

「てめーじゃねェし、凛華だし。」

「凛華……。」

「えっとね、どこだろう。ごめんね、記憶力悪いんだ、てへ☆」

「記憶力悪いの問題じゃねェぞ!?あと『てへ☆』とかいらねェェ!!」

「まあまあ、独学ということで。」

「………はあ、疲れる。」

 
 
 
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