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ザアァァァァッ

「………最悪。」



外をふと眺めてみると空から大粒が降っていた。


雨は嫌いだ。一日中暗いし、気分は落ち込むしなにより最大の敵は湿気だ。


私は今、朝一番の自分の顔を見つめている。正確には頭を見つめている。



「ゴワゴワじゃないかァァ。」



髪の毛の量が多いためかはたまた髪の質のせいか、湿気が多いとすぐ広がりゴワゴワになる。これは乙女の敵だ。



「銀さァん!髪の毛どうにかしてよー!!」

「待ってろォ、すぐ行くぞー。」



しかし、ここに私よりもひどい状態のやつがいる。


それは、



「髪の毛か?」



ひょこ、と洗面所に顔を出す彼。



「ぶっ!」



もろ天パの銀さん。


銀さんは天パそのものなので湿気の時は通常より更にひどい、いやこれはひどすぎる。



「あはははははっ!!」

「………コノヤロー。」



頭爆発状態の銀さんは私に近づき、そして



「天パを馬鹿にしたら……」

ガシッ



私の頭を掴む。



「天パで泣くんだコノヤロォォォォ!!」

ぐしゃぐしゃぐしゃぐしゃ

「ギャアアア!?」



髪の毛をぐっしゃぐしゃにやられた。


元々ゴワゴワだった髪の毛は更にゴワゴワになり、まるで実験に失敗した博士のような髪型になった。



「なにしてんの銀さんんんん!?髪の毛直してって言ったのにィィィィ!!」

「誰が直すか!!銀さんの天パを嘲笑いやがって!!」

「だ、だって……。ぷ。」

「あ、もう知らないもんねー。後は自分でやれよ凛華ちゃん。」



ひらひらと手を振りその場を去ろうとする。



「ま、待ってよ!」



私はその手をおもいきり掴む。


しかし、後ろに反りすぎたため椅子がグラリと後ろにいく。



「きゃあ!?」

ガタァァン
 
 
 
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