( 1/2 ) ザアァァァァッ
「………最悪。」
外をふと眺めてみると空から大粒が降っていた。
雨は嫌いだ。一日中暗いし、気分は落ち込むしなにより最大の敵は湿気だ。
私は今、朝一番の自分の顔を見つめている。正確には頭を見つめている。
「ゴワゴワじゃないかァァ。」
髪の毛の量が多いためかはたまた髪の質のせいか、湿気が多いとすぐ広がりゴワゴワになる。これは乙女の敵だ。
「銀さァん!髪の毛どうにかしてよー!!」
「待ってろォ、すぐ行くぞー。」
しかし、ここに私よりもひどい状態のやつがいる。
それは、
「髪の毛か?」
ひょこ、と洗面所に顔を出す彼。
「ぶっ!」
もろ天パの銀さん。
銀さんは天パそのものなので湿気の時は通常より更にひどい、いやこれはひどすぎる。
「あはははははっ!!」
「………コノヤロー。」
頭爆発状態の銀さんは私に近づき、そして
「天パを馬鹿にしたら……」
ガシッ
私の頭を掴む。
「天パで泣くんだコノヤロォォォォ!!」
ぐしゃぐしゃぐしゃぐしゃ
「ギャアアア!?」
髪の毛をぐっしゃぐしゃにやられた。
元々ゴワゴワだった髪の毛は更にゴワゴワになり、まるで実験に失敗した博士のような髪型になった。
「なにしてんの銀さんんんん!?髪の毛直してって言ったのにィィィィ!!」
「誰が直すか!!銀さんの天パを嘲笑いやがって!!」
「だ、だって……。ぷ。」
「あ、もう知らないもんねー。後は自分でやれよ凛華ちゃん。」
ひらひらと手を振りその場を去ろうとする。
「ま、待ってよ!」
私はその手をおもいきり掴む。
しかし、後ろに反りすぎたため椅子がグラリと後ろにいく。
「きゃあ!?」
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