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「おーい、朝だぞー。」



バン、とノックなしに私の部屋に入ってくる一応執事の銀さん。


銀さんはズカズカと私が寝ているベッドまで近づいてきた。



「今日の朝食は凛華の好きなスクランブルエッグのトーストだぞォ。」

「………いい。」



そう言い、私は頭まで布団をかぶった。



「あ、さてはお前俺がいねー間に夜更かししたな?したんだろ?だからまだ眠てーんだ。いかんだろー、女の子が夜遅くまで起きちゃ」

「ゲホッ!」

「………あ?」



し、しまった。



「あ、えっと、だ、大丈夫だから。」



そう言ってさらにもぞもぞと布団の中に入る。



「……凛華?」

ケホッな、なに?」

「お前ェ、10年早ェよ。」

「はい?」



次の瞬間、



俺を騙そうたァ10年早いんじゃァァァァァ!!



バサァッ



ギャアアアアア!?



私は勢いよく布団を剥がされた。布団を剥がされた私はベッドの上で無防備で寝転がっている。



「ったく。なんで隠すかなー、凛華ちゃんよォ。顔真っ赤じゃねーか。」

「き、きのせいよ。ちょっと日焼けしただけ……。」

「日焼けだァ?随分と季節外れの日焼けだな。」

「そそそうなのよ、おほほ。」

「……オイオイ。」



銀さんが私のベッドに上がってくる。私は冷や汗をかきながら後ずさりをしたが、すぐ追い込まれた。



「素直になれよ。」



銀さんは私の頬を両手で捕まえる。


もう、逃げられない。



「今からの質問には素直に答えること。答えなかったら、ちゅーすっぞ。」

「はぇ!!?」



ちゅーと言いましたか!?この銀髪天パは今ちゅーすると言いましたかァァァ!?乙女になんていうことを!!



「質問いちー。」

「!」



そうだ、いいこと思いついた。



「貴方は風邪ですか?」

「………。」

「………。」

「………。」

「………オイ。」



素直なことを言わないといけない、それなら喋らなければ大丈夫!という作戦。


しかし、



「あれ?」



銀さんの顔が近づいてきた。



「言っとくけど、」

「っ。」



あと数pのところで囁かれる。なんだか体がぞくっとした。



「黙るのも禁止だから。」



ふぅ、と吐息が唇にかかる。その度に私は体を強張らせた。



「もう一度聞きます。貴方は風邪ですか?」



この距離、もう我慢できない。恥ずかしい……っ!!



「ひゃい……。」



結局私は銀さんに一本とられた。
 
 
 
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