( 1/3 ) 多くの政治家や弁護士、更には歴代大統領までが通っていたという全国でも有名な私立高等学校。
私は今、そこの
「きゃあ見て見て!!姫路野様よ!!」
「相変わらず今日もお美しいわー。」
「姫路野嬢はさすがだ。」
「あぁ、こんなに噂話をされようがあの凛とした姿。」
「お美しい他ない。」
「さすが首席様だ。」
そうです、私は首席です。何故かは知らないです。寧ろ私が聞きたいわ、何故?
というか私、凛としてません。低血圧のせいか朝起きるのはとても苦手。しかも起きても機嫌が悪い。だから顔がしかめっ面。
お美しい?言葉の使い方にゾッとする。私は別にお嬢様になりたくてここに通っているわけではない。ただ家柄で仕方なくという感じ。
本当は普通の学校行って普通の青春時代を送りたかった。
「………はぁ。」
朝から心の中でツッコみ学校内を歩く。毎日騒がしいが今日は一段と騒がしい。
特に女子が。
「きゃあ!姫路野様の横についてらしてる執事は!?」
「銀髪でいらしてるわよ!!」
「か、かっこいいですわ。」
「なんてお似合いのお二人なの……。」
似合ってません、そういう冗談マジで止めて。
そう、私の横には何故か私の執事の坂田銀時がいる。
つか気軽に女の子に手振るなよ。ほれ見ろ、失神者が出たぞ。
「あれ?アイツ倒れたぞ。だいじょーぶかァ?」
「ほっとけばいいのよ。」
「なんだ、冷てーな。」
「原因がわかってるから安心して言えるの。」
「ほどなァ。」
と、いうかさっきから疑問に思ってたんだけど
「なんで学校にいるの?」
「は?何言ってんの?」
死んだ魚の目を開き驚く銀さん。
「執事たるものお嬢様から一時も離れちゃあかんだろ。」
「離れてください。」
「あれコイツ人の話聞いてたの?耳に呪われたイヤホンでもつけてんの?」
ぐいぐいと私の耳を引っ張ってきやがった。
「い、痛い痛い!聞こえてるから聞こえてるからァァ!!」
「じゃあ傍にいても文句はねーよな?」
「有りすぎて困、痛い痛い痛い痛い!!」
言葉を最後まで言わさず銀さんは耳をちぎれるんではないかというぐらい引っ張る。
「んー?よく聞こえなかったなァ?」
「ななななんでもナイデスナイデス!!」
「よォし、いい子だな!」
そう言って耳から手を離し頭にポンポンと手を置いた。
本当は余計目立つので傍にいてほしくないが、それを言うと今度こそ耳をちぎられるので言葉を飲み込む。
「………はぁぁぁ。」
私は再び溜息をつき銀さんと共に校舎の中へと入って行った。 もどる →
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