( 3/3 ) 「ぜぇ、ぜぇ。」
「つ、着いたな。」
あれからとにかくすごかった。
元々器用なのかやる事成す事全てが早くて綺麗で。感動していた。
そこまでは。
その後が問題だ。
「よし、準備できた!!」
「やったな!!」
「うん!!」
「………。」
「………。」
「………。」
「……え、車は?」
「は?んなのねーし。」
「はあ!?」
「俺スクーターの免許しか持ってねェ。」
「ば、ばかぁぁぁぁぁ!!」
で仕方なくスクーターで来たが途中で二人乗りで止められそこから走って学校まで来た。
もちろん、遅刻。
「さ、最悪。生まれて初めて遅刻したわ。」
「え?お前人間?生まれて初めて遅刻したなんてお前それでも人間?」
「遅刻する方が人間じゃないよ、銀さん。」
「なんで俺が遅刻したって知ってんだよ。」
「明らかに口調がそうでしたー。」
「何コイツ。さっきまで泣いてたくせに。」
「な、ななな泣いてなんかないもん!!」
「嘘だね、超涙目だったし。」
「違うしーっ!!」
こんなやり取りを私達は昼になるまでしていた。結局今更登校するのもどうかと思い、サボってしまった。
これで生まれて初めて遅刻してサボりました。
全てあいつのせいだ。少し頼りがいのあるいい奴だと思ったのに。
でも一緒にいて楽しいことは認めてあげよう。 私の執事は器用で馬鹿
「……もう帰ろっか。」
「だな。」
「てか私達、よく何時間もここで言い合いしてたよね。」
「だな。」
「全く、人生初の遅刻にサボり。どうしてくれんのよ。」
「だな。」
「……さっきから『だな』しか言ってないよ?」
「い、いや。」
「?」
「俺、クビにされねーよな。」
「……知らない。」
「嘘だろォォ!?」
ま、クビになんてしてやらないけど。
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