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「ぜぇ、ぜぇ。」

「つ、着いたな。」



あれからとにかくすごかった。


元々器用なのかやる事成す事全てが早くて綺麗で。感動していた。


そこまでは。


その後が問題だ。



「よし、準備できた!!」

「やったな!!」

「うん!!」

「………。」

「………。」

「………。」

「……え、車は?」

「は?んなのねーし。」

「はあ!?」

「俺スクーターの免許しか持ってねェ。」

「ば、ばかぁぁぁぁぁ!!」




で仕方なくスクーターで来たが途中で二人乗りで止められそこから走って学校まで来た。


もちろん、遅刻。



「さ、最悪。生まれて初めて遅刻したわ。」

「え?お前人間?生まれて初めて遅刻したなんてお前それでも人間?」

「遅刻する方が人間じゃないよ、銀さん。」

「なんで俺が遅刻したって知ってんだよ。」

「明らかに口調がそうでしたー。」

「何コイツ。さっきまで泣いてたくせに。」

「な、ななな泣いてなんかないもん!!」

「嘘だね、超涙目だったし。」

「違うしーっ!!」



こんなやり取りを私達は昼になるまでしていた。結局今更登校するのもどうかと思い、サボってしまった。


これで生まれて初めて遅刻してサボりました。


全てあいつのせいだ。少し頼りがいのあるいい奴だと思ったのに。


でも一緒にいて楽しいことは認めてあげよう。
 
 
 
 
 
 
 
私の執事は器用で馬鹿
 

 
「……もう帰ろっか。」

「だな。」

「てか私達、よく何時間もここで言い合いしてたよね。」

「だな。」

「全く、人生初の遅刻にサボり。どうしてくれんのよ。」

「だな。」

「……さっきから『だな』しか言ってないよ?」

「い、いや。」

「?」

「俺、クビにされねーよな。」

「……知らない。」

「嘘だろォォ!?」

ま、クビになんてしてやらないけど。



 
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