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昨晩。


あれから私は坂田銀時が本当に私の執事なのか、父様に連絡をとった。



「……父様、本当なのですか?」

「あぁ。すまん、凛華に黙っていて。」

「いえ。それよりどうしてご相談されに来なかったのですか?」

「……凛華に言うと『一人で大丈夫』で終わりそうだからな。」

ドキッ



猫被ってるのばれた?



「私は平気だと思ったが……、まぁ世の中物騒だからな。」



上手く話が纏まっていない気もするがそういう事だ。


だから私は疑わなければならなかった。


いくら父様が雇った人間だとしても裏を隠して雇われた可能性だって0ではないことは確かだ。


父様が信じる限り、私は疑わなければならない。


そんな言い訳。



「大体昨日男が言ってたUSBったァ貰っても悪用する事がねーからな。」

「……でも。」

「大丈夫だ。それにこんな俺がそんな計算高い事すると思うかァ?」

ジッ



銀さんの顔を見る。



「寧ろ逆に機械壊しそう。」

「な?」



ニカッ、と笑う。その笑顔は誰よりも無邪気で可愛らしいものだった。



「それよりいいのかァ?学校遅刻すんぞ。」

「え!?」



時計を確認する。現在8:24。ちなみに学校開始は8:30。



「ろ、6分しかない……っ!!」



今の格好パジャマだしまだ歯磨きも身なりも何も整えてない。



「どうしよう。」



私が懸命に頭を使っている時だった。



「凛華。」



頭上から声がする。



「こういう時の執事だろ?」

「え、」

「ほら、何なりとお申しつけ下さいませ。」



そう言って手を差し出し笑う。



……ぇ……て。

「もう一回。」

「助け、てぇ。」



初めて言った、初めて人に助けを求めた私。


銀さんはもう一度ニコリ、と笑い「畏まりました」と一言言った。
 
 
 
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