( 3/3 ) ガシャァァァァン
突如大きな音がする。私は恐る恐る目を開けた。
「……え。」
そこには伸びた男とその上に座るスーツを着た銀髪をした男がいた。
「女の子に手を出そーとは大した奴だなオイ。」
ん?なんか言えよ、と銀髪男は男をベシベシ叩く。
「だ、誰?」
恐怖から出なかった声がやっと出た。その声に反応しこちらを向く。
「もしかしてお前ァ姫路野凛華さん?」
「……貴方も悪い人?」
キッ、と睨みつける。
「あれ?聞いてねーのお前の親父から。」
「何を?」
父様、行く時何もおっしゃっていなかったけど。
「何にも聞いてねんだ。」
「えぇ。何も聞いてないわ。」
銀髪男はガシガシと頭を掻きながら怠そうに立ち上がる。
そして肩膝を床につき私の手をとる。
「お初お目にかかります、姫路野凛華お嬢様。
私凛華お嬢様の執事を勤めさせて頂くことになりました坂田銀時と申します。」
先程とは全く違う口調、声。少しドキリとした。
いや、そんなことに驚いている場合ではない。
「し、執事ですって!?」
「そ、執事でーす。」
腹が立つ笑顔で笑い、そして
ちゅっ
手の甲にキスを落とす。
「!!?////」
「あれ?慣れてねーの?」
ニヤニヤとした顔でこちらを見る。
「なななな慣れてるわよ。」
「嘘つくの下手だなオイ。」
「嘘じゃない!!」
「はいはい。」
手を振り払えば降参とでも言うように両手を挙げる。本人は全くそんな気はないが。
「じゃあ改めて、凛華お嬢様。」
真っすぐな赤い瞳が私を捕らえる。
「この坂田銀時、どうぞお見知りおきを。」
その時の笑顔は最高に腹が立つ笑顔だった。 私の執事は変人 「なあなあ、凛華お嬢様って呼ぶのめんどいから凛華って呼んでいーい?」
「いきなり呼び捨て!?」
「あ、因みに俺は銀さんか銀ちゃんで。」
「……宜しく坂田さん。」
「銀さんか銀ちゃん。」
「坂田さん。」
「………。」
「宜しく、銀さん。」
「素直でよろしい。」
さっきのオーラ漂わしてたら誰でも言う事聞くわ馬鹿!! ← もどる
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