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ブー ブー



再び鳴り出すバイブレーション。さっきので慣れたから今回は驚かなかった。



「行くぞ。」

「ん?え......っ!」



次の瞬間だった。



「!!!!???」



高杉はなんの躊躇もなくそこから塀に向かってジャンプをする。わたしは叫び声も出せないほど驚いていた。



「▼〒♂〃◎※仝々〒!!!??」

「......意外に飛べたな。」



気がつけば塀の上に立っていてそれはそれは高かった。人が豆粒とは言わないがとにかく高かった。手元の近くにあった高杉のネクタイを掴む。



「......そんなに俺を殺してーか?」

「え、いや、あの、違う。た、ただ怖くて...っ!」

「へェー、高所恐怖症か。」

「わわわわかんないとにかく怖い。」

「んなモン慣れだ慣れ。」



すると下から誰かの声が聞こえた。怖くて下を向けないので声だけ聞いてるとさっき電話で話した男のようだった。



「姫路野嬢。」

「ななな、ななに!!?」

「しっかり、掴まってろよ。」



へっ?、と間抜けな声を出した時は遅かった。


わたしに襲ってきたのは下からの重力と風、そしてありとあらゆる恐怖、上へと流れる景色。



「仝▲〒♂ゞぃ■♂※ぁ!!!!??」

「......完全に壊れてやがるな、ククッ。」



もうだめだダメダメダメダメ。死んじゃうさよなら父様母様、そして銀さん。あなたたちに会えて幸せでした。幸せでしたけど最後逝くのならこいつとではなく銀さんの腕の中がよかったと切実に思ボフンッ



「きゃっ!」

「おっと。」



地面に激突!かと思いきやそこにはあの消防署で使われるマットがあり、そこには長く漆黒に輝くリムジンとニヤニヤとこちらを眺める栗色の頭をした青年がいた。



「た、助かった。」

「助からねーと飛び降りねェよ。」

「なっ!」



そう憎まれ口を叩きながらの彼だがわたしをマットの外まで抱きかかえたのは紳士だと悔しいが感じてしまった。



「さ、奴等に見つかっちゃまずいでさァ。とにかくリムジンの中に入りなせェ。」

「だとよ、行くぞ。」

「う、うん。」



腕を引っ張られ漆黒のリムジンに乗せられる。先にいってドアを開ける栗色の頭をした青年と目が合った。



「ご紹介は後程させて頂きやす。」

「あ、ご丁寧にどうも。」



電話越しとは少し違った印象の青年に頭を下げつつ中に入った。間もなくして高杉と青年が入りリムジンは発車した。







他の執事は無茶ばかり



「姫路野お嬢様、でしたよねィ?」

「うぇ?あ、はい。」

「......へェー。」

「なにかありますか?」

「いや、一応確認のためにねィ。」

「ふーん...?」



 
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