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「んぐっ!?」



部屋に入った瞬間だった。突然口を覆われた。


私は必死に口から引っぺがそうともがく。


しかし、



チャキッ



首に当たる冷たいもの。確認しなくてもわかった。



「大人しくしてろ!!」

「―――っ!!」



ナイフだ。



「お前、姫路野凛華だな?」



大抵こう聞いてくる奴は姫路野大企業を潰そうと汚い手を使う奴らの一人。


私は頷かず黙っていた。



「黙っているということは肯定ととってもいんだな。」



タバコと香水の混じった匂いがする。吐き気がしそう。



「じゃあ、あれを出せ。」

「………。」

「知っているだろう?あれの場所を。」



あれ、それは姫路野大企業の核とも言える情報が詰まったUSBのこと。



「………。」

「さァ、早く言え。」

「………。(ニヤ」


次の瞬間、



キ――――ン

「おふっ!!!??」



私は足を後ろに上げ男の股間を蹴り上げた。男はそこに疼くまる。私はその内に逃げた。



「ま、待て!!」



ナイフを片手に必死に追い掛けてくる。


あまりの恐怖に私は息がいつも以上にあがる。とにかく必死に必死に走る。



「はぁ、はぁ、はぁ。」



次を右に曲がる。



「!」



しかしそこは行き止まりだった。



「しまっ、」



引き換えそうと後ろを向く。そこにはナイフを片手にした男がニヤニヤした顔で立っていた。



「さっきはよくもやってくれたな……。」



もう、逃げられない。



「大人しく言う事を聞いてくれたら何もしなかったのに。」



カタカタ、と体が震える。



「少々調子に乗ったようだね。」



男の腕が上がる。



「お仕置きだ。」

キャッ!



もうダメだと目を閉じた。
 
 
 
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