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最近学校に行くのが楽しみだ。


もちろん今までも楽しかったけど......、いや、嘘じゃないから。楽しかったよ?


神楽に弁当のおかずとられたり、総悟に悪戯されたり、近藤くんの巻き添え食らったり。


あれ?それ本当に楽しかったっけ?これ楽しいって言ったら私はドMじゃないか。


訂正、楽しかったっけ?ぐらいにしておこう。


とにかく最近の私はとても機嫌がいい。


しかし、ある日のことだった。


「席替えをしましょう!」


新八が怪訝な顔で言い出した。


「んだよ急に。」


さすがの先生でも引いた顔でをしていた。


「もうこの席嫌なんですよ!」


新八の周りを見渡す。右には神楽、左には総悟。前には近藤くんに後ろは妙ちゃん。


まさに史上最悪の席だった。説明しなくてもわかると思う。いや、わかってあげてほしい。


確かにこの席なら席替えはしたい。


しかし、


「意義ありィィィ!」


私はもう天井に 腕が届いちゃうんじゃないかってくらい思いっきり手をあげた。


「姫路野、さん。」


「新八、ごめん。君の気持ちはよくわかる、痛いほどわかる、今もわかる。」


「じゃあ、どうしてなんですか!」


そんなの決まってるじゃない!常識よ常識!


私は息を思いっきり吸い、新八を指差して答えた。


「席替えなんて面倒じゃないかァァ!!」


結局面倒だからかよォォォォォ!!


「当たり前じゃん!それに私この席じゃないと死んじゃう。陽に当たらないところだと生きていけない。」


「植物か!!光合成しないと生きていけないとかでしょ!」


「あたぼーよォ!」


他にも多々理由はある。


ここは外からの風景がよく見えるし、さっき言ったように陽当たりも抜群。お昼寝にぴったしのものだ。


あとは、


「姫路野さん言ってたじゃないですか!高杉くんの前は嫌だと!!」


「うっ!」


痛いとこつかれた!確かに前までは嫌だったが今はそらうでもない。いや、寧ろ、


「高杉くんとはもっと話したいからいいの!」


シーンッ


一瞬にして教室の空気が固まった。


「あ、あれ?私、まずいこと言った?」


だらだらと冷や汗が出る。やばい、このみんなの目は何かやらかしちまったなオイみたいな目だ。


「......姫路野。」


「は、はい。」


銀ちゃんに低い声で呼ばれ、恐る恐る返事をする。


「世間ではなァ、さっきの発言は告白同然として捉えられるな。」


「え、」


こ、告白ですと?


バッと後ろの席を見る。相手は夢の中へと旅立っていた。


「すみません、姫路野さん。そんなことも知らずに。」


「いや、ちょ、待て。」


「凛華。私応援してるヨロシ。」


「か、神楽ぁ?」


「ふふ。青春ね。」


「妙ちゃぁぁん?」


「姫路野。」


ポンッと肩にごつい手が置かれた。


「......お、応援してる、ぞ。グスッ。」


なんで泣いてんのこの天パァァァァ!!!?


「へぇ、凛華がねィ。」


「......頑張れよ。」


「凛華ちゃん!恋するもの同士頑張ろうな!」


「な、なんなのさァァァァ!」


私は原因のやつを見た。


きゅんっ


え、なにこれ。なんで心臓が苦しかったよ。痛いけど痛くないし。いや、でもこれ、えぇ?


「ほ、本当に?」






たぶん好きなんだ







今までも気づかなかった。この胸の鷹なり。

顔を見るだけで話すだけで、心臓がきゅんってなります、先生。

これは病気ですか?




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