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私が通う銀魂高等学校は、とにかく個性的な人がたくさんいる。


とくに3Zは個性的な人が集まりに集まり、周りからは「問題児クラス」として扱われている。


その「個性的な人」の中に私も入っている、残念ながら。


そしてその問題児クラスは今日も朝から元気はつらつに頑張って生きています。


「おっ妙さあああん!!」


「毎回毎回しつこいんじゃこんのくそゴリラアアアアアア!!」


「ギャポオオオオオオ!?」


ドガアアアン


ガシャアアン


「だからてめーはいつまでたっても餓鬼から卒業できないんでィ。」


「私はもう立派な大人の女ネ!!母ちゃんの乳しゃぶってるお前にはまだわかんねーヨ。」


「あ?もう一回言ってみろ。」


「何度だって言ってやるよ、このクソ餓鬼。」


「チャイナアアアアア!!」


「コンノドSウウウウ!!」


ドガン ガシャン


……今日もみんな元気です。


3Zにとってこんなのは日常茶飯事でとくに変わった様子などはない。


しかし他の学校やクラスと比べてみたら一目瞭然。みんな静かに毎日を過ごしているらしい。


そんな毎日がほしいと思う私、姫路野凛華。


なぜこんな普通の女子高生がこんな恐ろしいクラスにいるかというと、まあ単純に人数合わせでこうなってしまったらしい。


全くここの学校はどうなっているんだか。


でもここのクラスでよかったのはよかったかも。毎日刺激があって楽しいし。


「凛華!!聞いてヨ!!またサドがか弱いか弱い私のことを苛めてきたネ!!」


「誰がか弱いだって?か弱いやつが俺の股間狙ってくるか。」


「男が黙るにはここ蹴るのがいいって聞いたヨ。」


「それ、誰情報?」


「あねごヨ!!」


……妙ちゃん。


「凛華!!悪いのはコイツヨロシ!!」


「い、いや。私に言われましても…。」


「姫路野、騙されちゃいきやせん。悪いのは男の勲章を砕こうとしたコイツでさァ。」


「確かに男の勲章だけれども。」


「コイツの味方するアルカ!?」


「味方以前に喧嘩の理由がわからないからどうこう言えないし。」


ギャアギャア


「………。」


ふたりは私の話を最後まで聞かず、ふたりで騒ぎ始めた。


なら最初から私に振るなよおおおおおお。


半分ハブてながら頬杖をかく。


すると、私の視界にあるものが入った。


「……ケシゴム。」


それは寂しそうに床に転げ落ちていた。私は可哀想になり「それ」を拾う。


「このケシゴム誰のー?」


「なにそれー。ボロボロじゃーん。」


「近藤さん、女子高生っぽく言うのやめて。超キモい。」


「ぐすっ。」


「ねえー、だーれーのー?」


すると後ろに服が引っ張られるのを感じた。


「俺の。」


「げ。」


そこにはあの超超超超超超不良として有名な人物、高杉晋助がいた。


彼は眠たそうに机に伏せながら服を引っ張る。


「げ、てなんだよ。てめー。」


「さーせん、つい本音が漏れました。」


だって高杉くん怖いんだもん。


「あぁ?」


「ひぃ!」


こうやってすぐガンとばしてくるしさー。


私の中にある不良というものは俺様俺様で世の中不真面目がかっこいいんだよ!!みたいな感じのやつ。


「……なんでビビるんだよ。」


「怖いから?」


「疑問形はおかしいだろ。」


「はっきり言ったら殺されそうなので。」


「ククッ。かもなー。」


「え!?殺すの!?」


「お望みなら殺してやろうか?」


「嫌嫌嫌あ!!そんな怖いお望みもっておりませぬー!!」


「クククッ。」


彼は特徴ある笑い方で私を嘲笑った。


そういえばこんなに話したの、今日が初めてなんじゃない?


「ま、ありがとな。」


そう言って彼はまた夢の世界へ旅立った。







ありがとうが始まり







超有名な不良からもらった「ありがとう」は、ほかの人よりも私の心に響いていた。

これが私の心を動かすきっかけ、というものになったのは後のお話。



 
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