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ここんとこ姫路野凛華の様子の変わりようが面白くて眺める時間が多くなった。今日も勿論眺めている。あーあー幸せオーラなんか出しやがって。


俺様、沖田総悟の斜め右後ろにいるその噂の人物は姫路野凛華という。


姫路野凛華はあの学校一の不良、高杉晋助が好きらしい。この前鎌かけたら見事に引っかかった。ざまーみろィ。


で、高杉の方はよくわからない。あの表情だと嫌いではなさそうだが、感情をあまり表に出さない人物だ。感情が読めないのがイライラする。


「で、ゆっくりその場に近づくとね、井戸からドワァって大量の貞子が出てきて!」


「お前の間違いじゃねーのか?」


「ば、ばれたか!!そう、実は私......んなわけあるかい!!」


「いいノリツッコミだな。」


「どもども......、じゃなくてね!その貞子がね!」


「あー、どうせ追いかけてきて最後井戸が爆発すんだろ?」


「えええええええ!!?なんで知ってんの!?」


「テレビ点けたらやってた。」


「ナイスタイミングゥゥゥゥゥ!!」


「ククッ。馬鹿な奴。」


「......。」


ずっとこんな話の繰り返し。恋愛要素が一切なくただの馬鹿話のエンドレス。まあ凛華馬鹿だからねィ。


それにしても最近高杉の野郎はよく学校に来る。学校に来ていたことは多々あったが授業には出ていなかった。屋上が保健室でサボって帰る。


しかしあの学校一不良とあろう者が席について頬杖しながらでも授業に出席している。


この前旦那が「え、高杉いんの?出席簿に欠って書いたじゃねーかコノヤロー。」とかブツブツ文句を言いながらやってたなー。


とにかくこいつは高杉に少しでもいい影響を与えたに違いない。


俺たちはまたあの暖かい目であいつらを見守ってやるのだった。


「っ!?」


「どうした?」


「い、いや、なんでもない...。(またあの暖かい目がっ!)」


「...変な奴だな。」


「は?高杉くんに言われたくないですー。何で眼帯?おしゃれなの?」


「......ものもらい。」


「(キュ、)」


「...んだよ、悪ィかよ。」


「(キュウトオオオオオオ!!)」


ククッ、あー面白ェ。コロコロ表情が変わる凛華を見てるとつい苛めたくなりやすが、まあここは我慢しといてあげやしょう。


サディスティック星の皇子、沖田総悟は人の恋沙汰を邪魔するほどドSじゃなかったらいいのにな〜。


俺は席を立ち上がり凛華に近づく。


「凛華ー。」


「ぅおっ!?」


後ろから包み込むように抱きしめてあげる。しかしこいつは顔色一つ変えない。


それもそのはず。俺たちは幼馴染だからこんな接近戦も慣れてやす。


「なに総悟?」


「べっつにー。」


「......変なの。」


俺に突き刺さる視線。言わなくてもわかる。高杉の野郎だ。俺は勝ち誇った笑みで高杉を見下ろす。あー、本当に楽しい。


「......おい。」


「さーて、」


凛華から離れ背伸びをする。


「焼きそばパンでも食べやしょーかねィ。」


にやりと笑い奴を見るとこちらを睨んできていた。あー怖い怖い。でもこれで確信できやした。


以上、沖田総悟の最近の日常についての報告でしたー。







すべては筋書き通り







「高杉くん?どうしたの?」

「...お前、あいつに抱き着かれても平気なのか。」

「あ、うん。平気だよー。だって幼馴染でいつも一緒だったからね!」

「......ふーん。」

「え、なんで怒ってんの?わたし何かした?」

「別に。」

「え、嘘、あぁ、あの、ごめんんんんん!!」



 
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