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「ううううううー。」


ただいま午前11時39分。あ、さっきのはお腹の音じゃないよ。わたしが唸っていただけだからね!それと別にお腹が空いてイライラしてるわけでもない。


ちらっ


後ろの席を隠れて見る。もちろんいない。どうせいつものサボりってやつだろう。


「......はぁ。」


わたし、本当に高杉くんに恋してるんだ。しちゃったんだなあ。


この気持ちの名前くらい知ってる。異性を見てきゅんきゅんしたりふとした仕草が愛らしく思えたり。


ここまできたら恋、と呼んでもいいだろう。


恋、恋、恋恋恋恋恋恋。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「うるせーぞ凛華!そんなに俺の授業がつまらねェか!!!」


「違う違う!断じて違う!別に銀ちゃんの授業が眠たくて面倒臭いとかそんなこと思ってないから!!!」


「ばりばり思ってるじゃねェか!上等だコノヤロー!!」


「ぎゃああああ!!ごごごごめんなさい!!」


ジャンプを片手にわたしの席まで来る銀ちゃん。きっとあの分厚い本の角をわたしの頭に落とすつもりだ。


わたしは必死に両手で頭を守る。銀ちゃんはそれを剥がそうとしてきた。コノヤローめ。


「まあまあ、乙女心がわからない旦那もやめなせェ。」


「一言余計だな、オイ。」


「総悟、どういうことよ?総悟は乙女心わかるの?」


「わかりまさァ。」


そしてニヤリと片頬を上げる笑い方をする。この笑い方は大抵嫌なことしか起こらない。今回も......?


「つまり凛華は、高杉の野郎に会いてーんでし ょ?」


「やっぱりりりりり!!!」


「何がやっぱりなんでィ。本当だろィ?」


「うるさいわコノヤロー!!!」


あのニヤニヤと笑う総悟を殴りたい、けど殴ったら倍々返しをされるのでやらない。頭の中だけにしとく。


「そ、そうか。そうだったのか凛華。」


「お願いだからどもるの止めてください!!」


「わ、悪いな凛華、きききき気づかなくて。」


「だから止めろってんでしょ!!後さっきから暖かい目線わたしに向けるのやめてまじでェェェェ!!」


「プッ、ククッ。」


総悟が笑いを堪えた笑い方をする。それが余計に腹立たしい。


「でも凛華、否定してやんせよね?」


「うっ!そそそれは!」


さっきから痛いとこばっかついてくるな!


「やっぱり凛華は、高杉のことがすすすすす」


「どこでどもってんのよ!!もう!!」


こいつらまじで嫌だ本当に嫌だ。わたしははぶてて机に伏せる。それでも暖かい攻撃は止まらない。


みんななんか、大嫌い............じゃないよ。だけど止めようよ暖かい目線。


だけど、総悟の言っていることはあっている。わたしは高杉くんに会いたくて会いたくて堪らない。


もう、2週間も会ってないんだよ?


「......はあああ。」


会いたくて愛しくて。背中が寂しいよ。







恋に恋してる







昨日も来てない、今日も来ない。

明日も来ないの?さすがに寂しいです。




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