夏というのは嫌いだ。
無駄に暑いし汗かくし、汗臭くなるし、暑いし。
昨日もアイスを買ったのに、今日もアイスだ。
「んーっおいしい!」
今日は部活はオフで、久々に鈴音と帰っている。
女の子っていうのは、味をかみしめてゆっくり食べる。
美味しそうに食べてるからいいことだけど。猛暑なのだ。少しは考えたほうがいい。
「垂れてきてるよ。」
「あああ!本当だどうしよう!」
そう言って鈴音は焦りながら急いで上を舐める。
まだ半分残っているから、それでは救出は無理じゃないだろうか。
「噛んだらいいんじゃない?」
「噛むのは違う!噛むのは違う!あああ、」
「なんで二回言ったの?」
なんとなく!と力強く言って、構わず舐め続ける。そう、舐める派なのね。おーけー。
「あああ。手に付いちゃった。あああ、ど、どうしよう。」
「舐めれば?」
「なめないよう、あああ、どうしよう。」
手を抑えながら鈴音はこちらを見る。いや、だからかめば・・・
「ちょーだい。」
「え」
もう飽きてるしね、こんなに溶けてちゃ。
「ん。ごち。」
「は・・・はい」
残りは数口。彼女は止まったまま。
「ん?どした」
なぜか顔を赤くして鈴音はうつむく。
「・・・手・・・なめられるかとおもった。」
「舐めましょうか?」
瞬間、鈴音は真っ赤になって怒った。
ごちそうさま。