なんとなく、甘えてみた



+忍たま乱太郎・川西左近
*学パロ+年齢操作、恋人。ヒロイン視点。


***


「左近、先輩?」
「ん?」

左近先輩の部屋で本を読んでいた私。

今日は同室の三郎次先輩は居ないらしく、先輩の方から部屋へのお誘いが来たので、素直にお邪魔した。

付き合ってるといっても、恋人らしい事は何一つしていない私達。
殆ど私が本を読んでいて、左近先輩は退屈してるんだろうなぁ、と思ってこの間左近先輩に謝ったら「僕も宿題あるから」と言って笑ってくれたので、安心して本を読んでいた。

筈なんだけど。

いきなり、左近先輩に後ろから抱き締められて、若干パニックになっている自分が居た。

「どうしたんですか?」
「うーん、なんとなく、かな」
「そ、ですか」
「照れてる?」

いきなり耳元で囁かれて、自分でもびっくりするほど身体がビクッと跳ねた。

「せ、先輩っ」
「なまえ、耳まで真っ赤。僕たち、こういう甘い雰囲気っていうの?したことないからねー」

耳元でクスクスと笑う先輩に、私は肩の力が抜けて、持っていた本を閉じて先輩の方を振り向く。先輩は首を傾げて、そんな私を見ていた。
先輩の顔も若干赤くて、お互いこんな甘い雰囲気に慣れてないんだなぁ、と思うとなんだか笑えてきてしまって、私は先輩の胸に顔を埋める。いきなりの私の行動にビックリしながらも左近先輩はしっかりと、だけど優しく抱き留めてくれる。

「なまえ?いきなり、どうした?」
「たまには、甘えてみようかなー…と思いまして」

私はそういうと先輩と視線を合わせてから笑みを浮かべる。
言われた先輩の顔は真っ赤で、先輩も私の方を見て「真っ赤だ」と笑った。





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