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パトロール


「お、夏男じゃん」


おおおエンジェルマイベストフレンド。やはり早坂君は真冬のときより夏男のときの方が若干懐っこくなるようだ。


「…よう」

今すぐに抱きしめたい衝動をこらえて、夏男らしく男前に挨拶をする。


「今日はどうしたんだ?」

「いや、軽く校内パトロール的なことをしろと鷹、佐伯に言われてなー」

「パトロールかぁ…それって平和を守るヒーローみたいだな!」


早坂くんは目を輝かせた。


「わ」たしがヒーローなら早坂くんはヒロインだよくそ可愛いななんだその笑顔は、私には見せたことないぞ!!!と言いたいところを自慢の理性で抑えた。


「ど、どうした?」
「いや、別に…」
「……なぁ、夏男」
「何?」
「俺もパトロールしていいか?」
「言うと思ったよ…」
「なんだよその嫌そうな顔は」

「だって」


早坂くんは喧嘩っぱやいし、ただパトロールしたいだけなのにあちこちで不良の喧嘩を買ってしまって時間がかかりそうだし。早坂くんに手伝ってもらうよりはまだ番長の方が喧嘩売られずに済みそうだし。


「俺も風紀部の仲間だろー?」

「う、わかったよ…。ただし、絶対に喧嘩買うなよ。見て回るだけだからな!!」

「了解っ!」


普段の二倍は明るい早坂くんの返事を聞くと同時に、私たちは校内のパトロールを始めた。
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