ここどこですか、私は千鶴ですさて、問題です。世界が反転したと思えば、突然見たこともない家にいる私はどんな姿でしょうか?答えは、赤ん坊の姿でしたー。…なんてどこぞのSF小説のようなことがあるのだろうか、普通ない。だが、それはありえた。現に今私は赤ん坊の姿で見たこともない女の腕に抱かれている。愛しそうに目を細めて私を見る女の目は明らかに母の目だ。ということは私は目の前の女の子供に当たるのだろうか。…いやまて、これは夢だ。夢に決まっている。もしも、もしも私が生まれ変わったというならまだあった話だが、残念ながら私は死んだ覚えはない。私は自分の部屋で荷造りをしていたはずだ。「……二人の名は千鶴と薫はどうだろうか?」不意にそんな声がしてそちらを向けば、私の父に当たるのだろう男がもう一人赤ん坊を抱いていた。どうやら私たちの名前を決めているようで、男の言葉に女は考えるような素振りをする。一緒に名前をつけられるということは私とあの赤ん坊は双子なのだろうか。にしても何故だろうか、母であろう女にしろ、父であろう男にしろ、見にまとう服は着物。どことなく家の雰囲気も私がいた時代のものじゃないような…「名前の意味は…?」私の思考を遮るように女が言葉を溢した。そしてそれに答えるように男が口を開く。「千鶴は、俺とお前の名前に入っている千という字に、美しい鶴のようなおなごに育つように、という意味だ」「じゃあ薫は?」「この子には薫る花に人や生き物が集まるように、何時でも周りに人が集まってくるような子に育つようにって意味を込めた」それを聞いて女は笑顔になる。「いい名前ね。千鶴に薫…」千鶴…と呼んで私の頭を撫でた女。どうやら私は千鶴という名前になったらしい。というか、私たちの名前がどうのよりも今はこの状況を誰かに説明してもらいたい気持ちしかわいてこない。(この時気づいていれば、)(私は未来を変えられたのだろうか)to be continue…---------------千鶴と薫は俺の天使!← ( 3 / 41 )[ *prev|next# ] ←back -しおりを挟む-