騙して笑って欺いて「思い出せ―、思い出すんだぁ私。大丈夫、お前ならできる!……あ、なんかキタ気がする!思い出せそうな気がする!」天井裏にいる人に聞こえないように小声でぶつぶつとそんなことを呟きながら額の髪をかきあげる。そんな様子を他人が端から見たら、私はいかに異様な姿に写るだろうか。しかし、私は今、恥とかなんとか言っている場合じゃない。「たしか、雪村千鶴が部屋に返されるところまでは覚えてる気がするんだよね…。うーん、困ったなぁ」困ったなぁ、なんて暢気に言っていられ状況じゃないのがわかっているからこそ、私は困っている。私は現在、すごく、すごく大事なことを思い出せないでいた。記憶を失ってそれを思い出せない、と言うわけではなく、一度あったことを忘れてしまった方の思い出せないである。そう、いわばド忘れだ。確か、千鶴が部屋に返されたあと何とかしてもう一度彼らと話ができるように千鶴がアクションを起こすストーリーだったはずなんだけど、その肝心のアクションをなにをしたのか思い出せない。もうほとんどでかかってる気がするのに…!アイワォントザストーリー。うん、英語なんて使うのはやめよう。「うーん、うーん………」………もういっそ諦めようかな。諦めて別の対処方を考えた方が確実に効率がいい気がしてきた。思いきって大声で叫んでしまおうか…、いやいやいや流石に捕虜がお呼び出しってのは駄目だよね。ちょうど誰かが部屋にきたときに逃げるふりをして捕まって話を聞いてもらう、ってのも逃げるってのは良くないし。「解決策ないなぁ………あ!」ふと、一つの案が頭をよぎる。これならば上手く彼らと話ができるかもしれない。よし、これにかけよう。そうと決まれば後はその時を待つだけだ。じっと。to be continue...--------------沖田さんに殺しちゃうよってすごく言われたい私重症←( 26 / 41 )[ *prev|next# ] ←back -しおりを挟む-