先に落ちたのは私
連載の中にそのうち組み込まれると思われる金造と連載ヒロインのネタ。
タイミングが来たら連載の中に入れる予定なのでネタバレ嫌な方は見ない方が。





「名前〜〜〜〜〜うへへへ名前名前名前ーーーー」

「分かったから離れなさいってば!」

「悪いなぁ金造が、こいつめっちゃ酒癖悪うて」

「そんな、柔造さんが謝る事じゃないですよ」

うわ言のように名前の名を連呼する金造を膝の上に転がしていると、柔造が名前の隣に座った。

「名前ちゃんは飲まへんのか?」

「私も少しはいただきましたよ、でも私の周り酒癖悪い人が多いからあんまり飲まないようにしてて。そんなに弱くもないからあまり酔わないんです」

「しっかり者さんやなあ」

「私から見たら柔造さんの方がよっぽどしっかり者ですよ」

「ははっ褒めてもなんも出えへんぞ」

ふふ、と笑ってから名前はアホ面で眠る金造の髪を撫でた。

「ねえ柔造さん。ここだけの話、ですけど」

「おん?」

「金造は自分が先に私に惚れたと思ってるんでしょうけどね、本当は違うんですよ」

月の光を浴びて照れたように笑う名前。

「正十字学園ん時から好きやったっちゅうことか?」

せやったら言うたったらこいつ死ぬ程喜ぶやろうに。と口にしようとすると、

「いいえ、もっと前です」

「へ?」

酎ハイの缶を手で弄んでいた柔造は、思いがけない返答に初めて表情から笑みが消えてキョトンとした顔になった。

「私、小さい頃京都に住んでたんです。ここから少し離れた所ですけど、金造とは小学校が一緒だったんですよ」

「まさかそん時から?」

随分長いな、と思わず声を漏らした。

名前はこくん、と頷いてからまた金造の頭を撫で始めた。

「まぁ中学で離れてから私は別の人と付き合ったりもしたんですけどね。でも金造は何せ初恋の人だからどうしてもチラつくんですよねー、小学校の時はクラス一緒になったことすらなくて接点なんて殆どなかったのに。それでも何故か好きだったから」

変な話ですよ、と言う名前は凄く幸せそうだ。

「正十字に行ったらまさか金髪になったこの人に会うことになるなんて、本当に変な話」

「ほんま阿呆みたいな頭やんなあ」

「ですよねえ、私黒髪が好きなのに。…あ、金造には内緒ですよ?」

「あぁ、分かっとる

せやけどそんな秘密の話会うたばっかの俺に言うてええんか?」

「本当はこのこと誰にも話すつもりなかったんですよ。でもなんか、柔造さんって話しやすくて。つい言いたくなっちゃいました。私も酔ってるのかな」

「嬉しいこと言うてくれるやんけ、俺と浮気でもするか?」

「あは、どうしようかなー?」

するとけらけらと笑う名前の言葉を遮り、静かに寝ていた金造が重々しく口を開いた。

「…柔兄…許さんぞ…」

それだけ言ってまた名前の膝に擦り寄る。

「うお、寝言でこれか?凄い執念やな」

「うーんやっぱり膝枕じゃ熟睡できないのかな。

ほら金造、お布団行くよ」

ぺちぺちとおでこを叩いてから、金造を引きずりながら名前は部屋に戻って行った。

「お話できて嬉しかったです。今度は柔造さんの話聞かせてくださいね。
おやすみなさい」

「おお、おやすみ」



俺が名前と同い年やったら、名前の隣におったんは俺やったんかな。










っていう金造×ヒロイン(((←)))柔造

でも柔造は最終的に蝮ちゃんと幸せになってくれると良いよ、

ヒロインは小学校で金造に惚れて、
中学で吹っ切れて別の人とかとも付き合うけどいまいち本気になれなくて、正十字で金造と再会するけど髪とかその他が違いすぎて恋愛感情がまだあるのかないのかわかんなくなる。だから、好きじゃないと思い込むことにする。
すごくじれったい関係の学園生活を送ります。


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