2
君はサンシャイン 2


「や ら な い」

「そこをなんとかーーー!!」

クラスの友人は私の机にしがみつくようにして首を垂れている。

「だいたいなんで私?まだ入学したばっかりなのに…そんな生徒会長の目に留まるようなことしてないよ?」

「ひかりって県内のダンスコンテストで入賞経験あるんでしょ!私もお兄に聞いて初めて知ったんだけどさ」

このショートカットで活発な友人、美和の兄は生徒会に所属している。

「ね、大抜擢だよ!?他にも一年一人いるって!あとの三人は二年だって!かっこいいじゃんやりなよ!」

「私にはバレーがあるの!やんない!」

「バレーったってマネージャーじゃん!選手ならともかくさあ、」

「マネージャーでもバレー部なの!」

「べつにバレーやめろとは言ってないよ?むしろ本業はそっちで良いってお兄も言ってるし!」

ね?ね?

懇願する友人に、少し心が揺れる。いや、でも私は…

そんなことをしていると昼休みが終わり、先生が入ってくる。
美和はしぶしぶ自分の席に戻って行った。


「スクールアイドル、やらない?」

美和、引いては美和の兄の所属する生徒会からの申し出だ。

最近そういうのが流行ってるのは知ってる。まあ、可愛い子の多い都会が中心だと思うけど。
まさか烏野でアレをやるとは思っていなかったし、ましてや私にスカウトが来るとはもっと思っていなかったけれど。

小さな頃から、ダンスと共に成長してきたような人間だった。中学時代もバレー部とはべつに習い事として、ダンス教室に通っていた。メンバーにも恵まれて、県内のダンスコンテストでは入賞、ではなく、大賞。一応県下一位となった。まあ中学部門なので実力は知れていると言われてしまえばそこまでだけど。

そんな私に舞い込んだ、舞台への招待状。正直、また舞台で、ライトを浴びてパフォーマンスができるということにはこの上ない魅力を感じる。感じるけど…

「マネージャー業をおろそかにはしたくないしなあ…」

思わずでる溜息をそのままに、私は窓の外を眺めた。
その後の授業はあまり頭には入って来なかった。


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bkm
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