はくおーき 6

「おお、そうだトシ!」

朝食の後、近藤さんが土方さんに声をかけた。

「今日の巡回の後、柳屋に寄ってくれるか。こないだ頼んでいた案件が上がったらしい」

「…了解」

ズズッとお茶を啜る土方さんをなんとなく見てしまう。
何か理由があるわけではないけれど、土方さんと柳さんってただの知り合いみたいな感じじゃないように感じるんだよなあ。なんていうか、お似合い?というか。

すると沖田さんが不満そうに声を上げた。

「えー、俺もいまから巡回だし俺が行きますよ?
こないだ土方さん行ってたじゃないですか、ずるいなあ」

「俺も会いてえなあ、若菜さんにもだけど瀬々良ちゃんに」

平助くんも同調したように言う。そういえばこないだ沖田さんも言っていた瀬々良さんという方、私も少し会ってみたい。

「すまんが、若菜さんに午後に来てくれと言われとるんだ。午後の巡回はトシだろう」

近藤さんの言葉に、ちぇー、と言うように口を尖らせる沖田さん。

「今度非番の日に会いに行こうっと。千鶴ちゃんも一緒に行こうね」
「えっ良いんですか?」

「もちろん。どうせこないだ会った時はゆっくり話せなかっただろうし?」

沖田さんは含みを持たせた口調で横目で土方さんを見やった。

「無駄口叩いてねえでさっさと行け」


「若菜さんって言やあ、こないだ一緒に茶飲んだぜ」

原田さんがそう言った時、土方さんが反応したのを見てしまった。

沖田さんがいつものからかい調子で答える。

「あれ?左之さん諦めたんじゃなかったっけ」

「ああ、落とすとかいう気はねえよ?ただ非番の日に通り歩いてたらよ、男に付きまとわれてるみたいだったから助けたんだよ。そしたらお礼にって一杯奢ってもらった」

「まああんな美人になら付きまとう男もいるだろうな」

新八さんが特に驚いた様子もなく話す。

「いつも適当にあしらったら引くらしいんだが、その日は妙にしつこかったらしくて、助かりましたわーって。外で会ったせいか全然雰囲気違って可愛かったなあ」

そんなことを話してから話がまた二転三転した後、賑やかな朝食の席が終わった。



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