イタリアってパスタとピザのイメージなんだけど、皆ノリが軽くて「もっと食べないと!」って大盛りにしてくれるから私には合ってるけど体重計とは出会いたくないと思ってしまう。

「やぁ、鮫くん」
ニコニコと笑いながらこちらへやってくる今回の仕事のパートナーに、スクアーロは絶句した。こいつは一応ヴァリアーの中では幹部クラスだが、どうにも実力があるようには見えないのだ。部下を両脇に携えて今回の仕事はどうだとか話しているヤツはいつもへらへらしているし、なによりスクアーロはヤツが戦っているのを見た事が無い。
ヤツはある日ザンザスが連れてきた。アジア系の顔に、伸びるだけ伸ばしたと言わんばかりの綺麗な黒髪。正直、スクアーロと(見た目的な)キャラが被っていた。アジトにはいつも居らず、街で偶にヤツを見かけることがあったがモテるのか女子を侍らせていた。
それに、ヤツは剣を使う。
「うぉ゛ぉ゛お゛お゛ぉおい。聞いてねぇぞ!」
「あれ、ボスから聞いてない?」
更に言えば、ルッスーリアと買い物に出掛けることが度々あるらしく、そのたびにルッスーリアがヤツを褒め称えるのだ。気に食わないと言えば気に食わないが、それはヤツの正体を掴むものを何一つ得ていない事に苛立っていると言っても良い。
ボスってばお茶目さんだなぁと笑うヤツに、気色悪いことを言うなと剣をちらつかせれば、態と驚いたように「おお、酷い」と目を見開いて言った。
「ちっ、行くぞぉ!」
「うぃーっす」
九代目から入った、シマを荒らすマフィアを潰すという依頼を遂行するために走った。


「そういえば鮫くん、今日誕生日なんだって?」
「あ゛?」
「ルッスーリアがそう言ってたんだけど、違うの?」
眉を顰めたスクアーロに、ヤツはクスクスと笑った。何がおかしいのかさっぱり分からない。
ヤツはスクアーロの髪を恐る恐る触って、三つ編みをし始めた。緩く編まれた三つ編みが前に垂らされるのを見て、ヤツは更に笑みを深くした。
「うん、可愛い」
「――死ね゛ぇ゛え゛えぇ!」
「あはは、今度フカヒレ奢るよ。共食いだね」
「三枚に下ろす!」
剣を振りかざしたスクアーロをひらりとかわし、ヤツはとろけるような笑顔で「可愛い君が大好きだよ」




誕生日おめでとうと言ってスクアーロの頬にキスをしたのだ。
―――――――――――――――
イタリアの雰囲気に当てられる性転換主。


prev next

bkm
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -