7(学パロ)

バヤイーヤバイーこれはマジで遅刻じゃね? ヤバいんじゃね? とりあえず兄さんと一緒に走ってます。走らないと間に合わないから。ガチで。彩雲学院は家から徒歩で三十分くらいのところにあるんだけど、徒歩三十分はあくまで正門までの所要時間であって、高校の校舎は正門から歩いて十分くらいのところにあるんだよ広すぎんだろくそったれ。ホームルームが始まるのは八時半。家を出たのが八時。つまり十分の遅刻。まぁ、全力疾走すれば間に合わないこともないんだけど。だから走っているんだけど! あぁ、嫌な予感がするよ……。だって私今、朝食のトーストを食べながら走っているんだぜ。昔ながらの少女漫画的な展開が目に浮かぶ。普通こういう場合は転校生とぶつかって「あっすみません」でちょっと見つめ合って学校に着いたら担任が「今日は転校生の紹介から始める」的なことを言いクラスに入ってきた人が朝ぶつかった人で「あーっ!」ってなるんだよな。それか他校生とぶつかって生徒手帳を落とし放課後届けに来てくれてそこから始まるラブストーリーの二パターンだな正直に言えばどっちも嫌だ。トーストくわえてるのが私じゃなくて妹なら良かったんだがな。あいつ軽く逆ハーレム作ってるしね。妹と仲良くなりたいがために勉強する生徒が増えて、学年全体の成績があがったらしい。小学生よ……おまえらは教師に恋をする学生なのか? 好きな人の教える科目だから頑張っちゃうとか、そういうのなのか? 小学生って普通、好きな子には意地悪しちゃうものだろうが、青春しろ青春。自分の中に芽生えた気持ちに戸惑って意地悪しちゃうのが小学生だろうが。しかしまぁ、あいつは本当に何ていうか、パネェな。妹はもうアレだアレ。愛される為に生まれてきたとかそんなんだろケッ。羨ましくなんてな

「ッ! いったぁ……」

「すまない、怪我はなかったか?」

「あ、楊先輩。すみませんでした」

「めずらしいな、楊修。お前がこの時間にまだうろついているなんて」

「私にだってそういう日くらいあるさ」

いんだからねって続かなかっただろくそったれ折角ツンデレに挑戦してみたのに。いや、別に楊先輩に怒っているわけじゃないんだけど。トースト落ちて全滅したぜ……。まぁ、あと半分も無かったんだけど。今日は購買で何か買わないとお昼まで保たないよこれ絶対。蘇芳連れていこう。

「ま、ここら辺までくれば後は余裕だな。そういや楊修、名前がお前に渡したいものがあるってさ」

「あ、そうだった忘れてた。走ったから崩れちゃったかもしれないんですけど……」

「――ありがとう」

「いえ、この間辞書貸してくれたお礼です」

「そうか……。そうだよな」

「おい、いくら余裕があるからって流石に急がなきゃヤバいぜ」

何となく気恥ずかしくなったから、じゃあ私は先に行ってるねと言って学校まで全力疾走した。





あーもう、ベタすぎるだろコンチクショウ
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ベタなんて分かってる。少女漫画の王道を突っ走ろう。


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