4(学パロ)
春。
それはきっと誰もが浮かれる季節。
新たな出会いを体験するものも多いだろう。
学生なら、特に。
そんな学生たちとは正反対に、沈んだ気持ちの私。
誰か慰めてー!

「蘇芳、どうしよう」

「知るか」

「だって私、まさか蘇芳がやってくるなんて思ってなかったんだもの!」

「俺だって一番始めくらいはきちんとするって」

新学期一発目の宿題を忘れた私。
昨日徹夜で終わらせたのに!
私ってなんて可哀相!

「しかも古文の辞書も忘れた!」

「自業自得だろ」

しかも隣になった奴は薄情な奴です。
なんなのもう!
神様って私になんか恨みでもあるわけ?

「しょうがない、先輩の誰かをあたるか」

「まぁ、古文は午後だし。間に合うんじゃね?」

「じゃあ休み時間にでも探しに行くわ」

この彩雲学院、無駄に広いんだよなぁ。
だからきっと古語辞典一つ探すのも大変だろうなぁ。
同じ学年でも、他のクラスは今日古文ないから皆持ってないだろうし。
やはり頼れるのは先輩か……。
いや、待て。
そういえば私兄さん居たじゃん。
高校3年生、幸いにも同じ学校。
よし、メールで兄さんに聞いてみよう。

『古語辞典持ってない?』

『俺は持ってない。他のクラスの奴らに聞いてあげるよ』

マジ兄さん良い奴!
兄さん一応文系だけど、今日は古文ないのか……。
ちなみに兄さんは嫡男なので、将来は経済学部か経営学部に進むだろう。
あとは商学部とか?
正直違いはよく分からない。
だってまだ高校1年生だもの!
兎に角、妹に優しい兄を持って、妹の私としては嬉しいかぎりだよ!

「蘇芳蘇芳! 兄さんが友達に聞いてくれるって!」

「よかったじゃん」

て話してたのがホームルームが始まる前のことである。
3時間目終了後の休み時間に再び兄さんからメールがあり、持っている人が見つかったから、その人と一緒に昼休みクラスに来てくれるとのことだった。
ちなみに返す時は直接返しに行けとのことで、親切にも辞書を貸してくれる人と一緒に来るらしい。
で、どうしてこういう展開なわけ?
少女漫画じゃないんだから、とこぼしたくなるくらいベタベタネチョネチョの展開だ。






少女漫画的展開はお呼びじゃない
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こういう展開が読みやすい話も好きです。
とりあえずさっさとくっつけ!


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