大義名分
!意味不明










「あーあ。どうやらあなたたちの関係はこれで終焉を迎えるようですね」
「益田、さん……」
「旦那さんの浮気、そして借金。しかも保証人はあなた。旦那さんは行方知れず。そして今朝、浮気相手と入水したのが見つかった」
「私は、どうしたら……」
「奥さんが抱え込むこと無いじゃないですか。世間じゃ家を守れなかった女と白眼視されても、ここではそんなこと関係ない」
「――それはどういう?」
「ここの主人である榎木津さんはそんなこと気にしませんし、僕ぁ奥さんがどれだけ悩んでいたか知っている。世間に戻るのが嫌ならここに居ればいいんですよぅ」
「でも」
「ここに、居ればいいんです」



真実なんて、隠してしまえば簡単には見えない。たとえば旦那さんの浮気相手は益田が金で雇ったあばずれだったなんてこと、彼女は知らないで生きていくのだ。益田にとっての誤算は、金で雇った浮気相手が本気になってしまったということだ。うれしい誤算だった。相談する振りをして入水を勧めたのも益田。本当にうれしい誤算だ。
協力してくれた司さんには何かお礼をしなくてはと考えている益田を、汚いものでも見るかのように睨み付けている榎木津はとりあえず益田をたこ殴りにすることに決めた。悪者は神が成敗しなくてはならないからだ。





成敗には大義名分が必要なのです
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で?っていう。


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bkm
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