「Z組の神楽って子。居る?」


チャラチャラした女どもに呼ばれた。
何故呼び出されたのかが不思議でならない今日この頃。


「あんた、連休中沖田君と遊んでたそうじゃない」


あぁ。あの日か。


「あんたが沖田君と遊んでるの見たって子がいるのよ」


五月蠅いな。

私が誰と遊ぼうがこいつらには関係ないのに…。




あ、


それって…



「お前たち。嫉妬してるのカ?」



この言葉が女どもの怒りを沸点までにのしあげたのだろう。
顔を真っ赤にした女がつかみかかってきた。

しかし、こんな隙だらけの女たちの攻撃ならいくらでも避けることが出来る。
ましてや、今は外には出ていないのでなおさら。


しかし、背後の方に居た女の存在を、私というものが忘れてしまっていて……

気づいた時には時すでに遅し。


女が降り上げたこぶしは、見事私の頭に…………。


ってあれ・・・。



「お、沖田?」

「おーおー。あぶねえな。怪我したらどうすんでィ」


「沖田君!!」


そう言う女どものもとへ沖田はより、にっこりとほほ笑んだ。

その表情に女どもは顔を染める。…気持ち悪い。


「お、沖田君、この子が私たちに…」

「な!おい、どう言う事アルカ!」


そう言う私を余所に沖田は女どもに淡々と告げた。


「とっとと消えな。メス豚。ブスがもっとブスになってんじゃねえか」


その眼は冷ややかな目で、でも、女共が去った後、私を見つめてくれた沖田の目は温かかった。

心臓が、


トクンと


脈打った。




――波打つ
      心臓――







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