出会って、まだ数週間も経っていないのに、ここまで親しくしくなったのは銀ちゃん以来だと思う。

銀ちゃんは、私にとって親的存在。

いろいろお世話になっているし、私は銀ちゃんが大好きだ。



「あれ?沖田に神楽じゃん」

「うあっ!銀ちゃん!」



隣の沖田の様子が少し変わったのは気のせいか?



「なに?二人でデート?神楽も青いねえ〜。んじゃ、俺はこれから銀の玉にかけてくるから」

「また負けるアル」

「五月蠅いですぅ〜。神楽はデートでも楽しめよ〜じゃーな」

「うん!!」



意外な時に意外な場所で意外な人物にあったために気分が良くなる。

しかし……



「お、沖田?」

「…んぁ」

「怒ってるアルか?」

「別に」



な、何か怒ってるネ!!

沖田の機嫌を損ねないようにして話しかけようとするが、沖田の言葉によって遮られた。




「なァ。神楽って、銀八が好きなわけ?」

「へ?………違うネ。でも…銀ちゃんはパピーみたいな存在ヨ?」



少し照れたように笑って見せた。

すると、沖田はそっぽを向いてスタスタと歩きはじめた。
その速さについて行くのがやっとで、集中していないと逸れてしまうかもしれない。

そんな私に気づいてか、沖田が突然、ギュッと私の手を包み込んだ。

接触している部分がじわじわと熱をもちはじめる。



「……ぁ。は、はぐれるといけねえから…」

「あ…うん」



なんだか、少し嬉しい気分。




そのあとは二人でファミレスによって、適当に街探索をしてその日は終えた。


帰りに、沖田が、私を家まで送ってくれた。

なんだか本当に付き合ってるみたい。



「ただいま……」


小さな声でそう言うと、沖田が小さく





おかえり





と言った。





――溢れた思い
           夜風に乗って――







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