私がこのクラスに転入して、一番はじめにアドレス帳に載ったのは、沖田だった。
家に帰って、夕食の支度をしてから居間の方の電気をつけた。
暗かった室内が一気に明るくなることに、何かしら嬉しい気持ちになった。
その時、不意に鳴った携帯電話。
誰からだろうと思い、ソファーの上に置いてある携帯に手を伸ばす。
携帯を開いて、ディスプレーを見ると、そこには今日、アドレス交換をしたばかりの名前だった。
エプロンを外しながら、器用に携帯のメールボックスを開く。
from:沖田
non title
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明日暇かィ?
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短いメール。
けれど、転入して初めてきたメールがとても嬉しかった。
初めて、本当の友達が出来た時のように嬉しかった。
私は、携帯の返信ボタンを押す。
to:神楽
non title
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暇アルヨ?
どうかしたアルカ?
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送信。
次にきたメールに、私は顔を少し赤らめた。
from:沖田
title:おごる
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一緒にどこか行きやせん?
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From You
悲しくなんかない