※其物語パロ男女入れ替え注意ギャグ
















昔々あるところに、とても美しい王子が居りました。

肌の白さが全く普通ではない王子様は、青い目をくりくりとさせて召使に言いました。

「この近くに、とてもおいしい食べ物があるって聞いたネ。ちょっと探してくるアル。パピーには、剣術の練習をしてるって言ってて欲しいネ」

「かしこまりました。しかし、王子。そのおいしい食べ物というのは、一体どこにあるというのです?」

「分んないアル。多分、森の中じゃネ?」

「は、はぁ…。お気を付け下さいませ。王子に何かあっては、国民が慌てますゆえ」

「じいは心配性アルな。大丈夫アル!嫁探しもついでにしてくるネ!きっと美しい乙女が居るはずアル!!」

そう言った王子は早速白馬を呼び、風の如く城を飛び出します。

向かうは、ダークグリーン見せる深い森。





所変わって、こちらは小人たちが暮らす小さなお家です。

早朝というのに、小人たちは慌ただしく働きだします。なぜかって?

とっても厄介な居候が暮らしているからなのです。

「ひめー!起きて下さい!ひめー!!」

「うっせーな、おい。今寝てただろィ。わざわざ起こすなよ」

とても口の悪い、しかしとても美しい姫が、小人たちと一緒に暮らしていました。初めの頃こそ、とても綺麗な言葉遣いをしていたのですが、日が経つにつれてどんどん悪くなるばかり。

しまいには我儘で、無理難題を言い放つのです。

「今日のご飯はシチューですよ」

一人の小人が、彼女に言います。

「ヤダ。カレーがいい」

我儘な姫は、シチューを食べようとしません。しかし小人は何も言わずにカレーを作り始めます。

何とも嫌な我儘姫だこと。

「あ、そうだ。最近、結婚したいなーって思ってるんでさァ」

「ほぉー。姫さんが結婚ですか」

真っ白なひげを下げた、優しそうな眼鏡のおじいさん小人が我儘姫に言いました。

「でもここって、すっげー深い森じゃん。だから、出会いなんて全くねーし」

「それじゃあ、試しに一度森の向こう側にある泉に行ってみたらどうですじゃ。きっと、良い出会いが待っていますよ」

「ふーん。泉…か。ちょいと行ってみようかねィ」

カレーはまだ出来そうにないので、仕方なくシチューを食べ始める我儘姫。

「姫!!!」

「げ。土方」

土方とは、姫と一番仲が悪い小人。いつもこの小人の靴や帽子やらを隠しては、その反応を見て楽しむのです。何とも性格の悪い。

「お前また俺の帽子隠しただろーが!!!返せ!このクソヤロー」

「いいじゃねーですかィ。だいたい、アンタのものを隠したってだけで有難いと思って下せェよ。原作設定だったら、今頃バズーカでドカンですぜ?」

「原作とかそういうの言うんじゃねーよ、アホ」

「アンタがアホ」

「表出ろ!!!!!」

「やーだね。んじゃ、ちょいと出かけてきやすんで、あとよろしく」

んじゃ。そう言って手を振りながら走って行く姫に土方は呆れて溜め息も出なかったのであった。





「へー。案外良いところアルな。泉もあるし、サイコーアル!」

綺麗な泉にたどり着いた王子は、早速その泉の水を飲んでみる事にしました。

澄んだ水面には、青空が映って見えます。不と、背後に気配を感じた王子は、左手で腰にある剣に手を添えます。

「うわっ。あっぶねーな」

振り向いた先に居たのは、綺麗な女の子でした。

「…お前、誰アルか?」

「テメー。誰に向かって言ってるんでィ」

「……お前こそ、誰に向かってその口聞いてるアルか」

「……ていうか、女の子?」

どこかでブッチーンなんて言う効果音が聞こえました。発信源は、王子です。

「ふざけんナ!!俺は王子アル!!」

「え?マジで?」

「フンッ!!」

我儘姫はさも驚いたかのように紅色の眼を見開きました。

「うわ。だってさ、女の子みたいな顔してたから女かと思ったんでィ」

「そう言うそっちは男の子みたいなしゃべり方アルな」

「普通でィ。悪いか」

「べつにー」

目を細めて横目に我儘姫を見る王子。そして、思いだしたかのようにポンッと掌の上に拳を乗せると、言いました。

「この辺においしい食べ物があるって聞いたネ。お前、何か知らないアルか?」

「おいしい食べ物?」

我儘姫は頭上にハテナマークを浮かべます。

「お前も知らないアルかァ…。じゃあ、何処かに可愛い女の子はいないアルか?今嫁探しもしてるネ」

「嫁探し?」

「そうアル」

「生憎だが、ここにはいないぜ?」

「マジでか!!…でもそろそろ決めないとパピーが起こるアル。…そうだ!この際お前でもいいネ!結婚の後は、離婚っていうのもあるからナ!」

「てめー人を何だと思ってるんでィ」

「で、どうアルか?結婚、してみないアルか?」

「ねぇ、本気で言ってんの?」

「マジアル」

我儘姫は、眉間にしわを寄せ数秒考えた後、王子の嫁になる決意をしました。

そのあとはもう簡単。事はどんどん先に進められて、我儘姫の保護者のようなものである小人は、我儘姫と共に城での生活を満喫しましたとさ。

めでたしめでたし。








(めでたしめでたしじゃねーヨ!)










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