※オリキャラ有。三角関係大好きです。
「大学って思ったより楽だよなー」
「あー。それは分る」
「てかお前さ、新しい彼女出来て丸くなったよな?…神楽ちゃんだったっけ?」
「妹だ。いもうと」
「なんかさ、恋とかに発展しちゃったりしないのかよ」
「ないない。だいたい向こうは高校生だっつってんだろィ。それに、俺にそういう感情があったとして、神楽の場合はないだろうし」
「…まさかお前本当に…」
「んなわけねえっつったろーが!テメまじで死ね!本当人の話聞かねえなオイ!」
ガタガタと騒ぎながら大学の門へと友人である笠木智明(カサギトモアキ)と向かう。なんだか最近、こいつの話にはよく神楽が出てくるようになった。……気がする。
なんだかムカムカ?モヤモヤ?いや、絶対嫉妬とじゃねーから。俺シスコンとかじゃねえし。
ないない。絶対ない。
* * *
「神楽?ただいま」
「おっじゃまっしまーす!」
少しは静かにしてほしいものだ。家の中では俺はしっかりした兄ちゃんなんだぞ。
「おかえりなさいアル。今晩御飯作ったところネ。…えーっと」
「笠木智明。トモ君って呼んでね。神楽ちゃん」
「あ、はい。よろしくお願いしますアル」
エプロン着けた神楽は最高だと思う。しかも今日は制服を着たままだ。てか、こんなとこトモには絶対見せたくなかった。
「んじゃ俺、着替えてくっから。トモはさっさと帰れ。もう神楽見ただろィ」
「え?もう帰っちゃうアルか?どうせならご飯食べて行けばいいのに!」
『え!』
ハモった。こんな奴とハモっちまった。しかも全く正反対の意味で。
「じゃあ御言葉に甘えて!!」
「・・・はぁ」
なんかこう。遠慮なしというかなんというか。・・・バカ?
「美味い!うちのババアの飯より美味い!」
「褒めすぎアル」
照れるように頬を染める神楽。可愛いなんて思ってないけどさ、ちょっとムカつく。
「こっちも食べて下さいヨ!」
「ありがとー!」
なんか、こころなし2人の世界に入ってる感じ?俺をそっちのけで?
無言で食べている俺に、ようやく気がついたのか神楽が小首をかしげて俺を見る。
「おにっ…じゃなかった。総悟ももっと食べるヨロシ!たくさん作ったアル!」
ドキッてした。めちゃくちゃドキッてした!
「食ってる。つかトモ食い過ぎでさァ。ちったァ遠慮しろィ」
「いいじゃん総悟。俺とお前の仲だろ?」
うえ。気持悪っ!どんな仲だよ!!
「トモ君は、総悟と仲が良いアルな!」
「うん。いつもお世話してあげてるんだよね」
バカ。俺がいつも世話してやってんだろーが。もうテキスト見せてやんねえからな。
なんだかもう分けが分らない会話なんかをして、何気に楽しい一時は過ぎて行った。ほんとうに、けしかすくらいだけだ。楽しかったのは。
玄関先までトモを見送る。神楽は後片付けがあるとかでキッチンに戻ったけど。
「…なぁ総悟」
靴をはいたトモがなにやら真剣な面持ちで俺を見た。
嫌な予感ほど、良く当たるものだ。
ドキドキ
『俺、本気で神楽ちゃんに惚れた』
乃亜