異常気象だか何だか知らないが、暑くなったり寒くなったり時たま雪が降ったりと何とも言い難い季節の中、日々淡々と過ごしてきた。しかし、だ。

もう何年がしたのだろうか。神楽が宇宙へエイリアンハンターの修行だ。とか何とか言って万事屋を飛び出した神楽。それに、神楽ちゃんが心配だわ。そう言って一緒について行った姐さん。その事実を知った近藤さんが泣きながらも毎日のように志村邸通い始めたのは。

たしか、4年くらい前だった気がする。

あの時の近藤さんは狂ってたな。俺から見ても変態そのものだった。

そして、その狂ったゴリラがいきなり宇宙に行くぞと言って積荷を用意し始めたのは昨日。無理やりだが、俺も、土方さんも同じような用意はさせられた。本当に無理やりかつ不本意だがな。

「総悟だって、チャイナさんに会いたいだろーが!!」

「俺ァ大丈夫でさァ。文来てるし」

「トシだって…」

「俺は女なんていねえ」

「うぅ…ぐすっ。文どころか俺はお妙さんの写真さえ数枚しかないのに…」

「…数枚もあれば充分だろ…」

事の通り、近藤さんは写真数枚を抱えて涙を流しながら首を横へフルフルと振って泣いていた。




* * *



「ってことなんでさァ、旦那。神楽と姐さんの居場所、知りやせんかィ?」

「え。なに、沖田君って神楽とそう言う関係だったの?」

「そこには敢えて突っ込まないでくだせェ」

万事屋にて、俺は土方さんに頼まれた事をそのまま旦那に告げた。だっていくら近藤さんでもうるせえもんはうるせえんだもん。

「…しょうがねえなァー、もう。じゃあ俺たちも一緒に連れて行ってくれる?最近ちょっと小耳にはさんだ事があるからさ」

「えぇ。居場所を教えてくれれば、資金はこっち(真選組)で援助しまさァ」

「助かるよ、沖田総一郎君」

「旦那。総悟です」

懐かしいやり取りもそこそこに、旦那と新八君に話をつけて俺は屯所に戻った。明日には出発するらしい。

俺は最低限のものをバックの中に詰めた。

屯所の居間に戻ると、なぜか山崎が近藤さんと土方さんの正面にすわって肩をすくめている。本当、何故?

「おう総悟!帰ったか!どうだったんだ!?万事屋は!」

「へい。了承してくださいやしたぜィ。資金は、近藤さんからって事で」

「分かった!よし、山崎。明日は頼んだぞ!」

「どうしたんですかィ。おいザキ、答えろィ」

「…お、沖田隊長。実は、明日から隊長たちが宇宙へ行くってなって、局長並びに副長がいない事から…俺が数日間局長を任されましてですね。…はい」

「へぇ。ま、頑張れや」

詰まんねえ。そんな事かよ。

早く明日になんねえかな。



* * *



「やっと着いたな!!ガハハハ!!!」

「やっと着いたじゃねえーよ。神楽今仕事してんだからまだまだ会えねえよ…っていうのは沖田君だったな。お妙にはすぐ会えると思うけど」

「で、万事屋。チャイナ娘たちが暮らしてんのはどこだ?どう見てもココはあり得ねえだろ」

「何言ってんの。ココだよ。ここ」

『マジでか!』

ココと言われて驚かない奴はいないだろう。俺だって羨ましいと思ったし。

「すげー高級そうじゃねーか。チャイナ娘いくら貰ってんだよ」

「神楽なめんなよ?お前らみたいなチンピラ公務員じゃねーっての。国際的なの。今や世界の。いや、宇宙のエイリアンハンター神楽だぞ?俺だって神楽に仕送りしてもらってんだぞ」

「ガキかてめーは!自分の娘同然とか言いながらテメーが息子になってんじゃねえか」

「いいんですー。いっつも俺が面倒みてやってたし。神楽だって今の生活の維持費とか払っても金が余るアル〜とか言ってたもんね」

「銀さん。大人げないです」

あ、いたのか。新八君。やっぱ地味だなオイ。

「誰が地味っつたァ!コノヤロッテンマイヤーサン!!!」

外が騒がしかったのか、マンションのドアが次々と開いて行った。そして、とある一室から天人以外の人。つまり人間イコール姐さんが出てきたのだ。

それを見た近藤さんはすかさずマンション内へ入って行った。何かがマンションから落ちてきたのは無視の方向で。

俺たちは、土へ還った近藤さんをよそに、ゆったりとした歩調でマンションに入った。







「あら。いきなりだ事。新ちゃん、久しぶりね。銀さんも相変わらず天パだこと」

姐さんはニコニコしながらキッチンに立ってお茶を入れている。

「案外良いところに住んでんだな」

「えぇ、神楽ちゃんのおかげです。私も働くって言ってるのに、姐御は家でゆっくりしててって。お料理も姐御に負担掛けたくないからってさせてくれないのよ」

今の言葉でわかった事がある。姐さんは相も変わらずダークマター(暗黒物質)を生み出しており、チャイナは姐さんのダークマターを上手く回避して健康に生活をしているという事が。

「…んで、チャイナ娘はいつ帰ってくるんだ?」

「確か今日は早めに帰ってくるって言ってましたよ?もすぐ帰ってくると思うわ」

「姐御ぉーただいまアル!やけに靴が多い気がするけど、誰か来てるアル・・・かって。銀ちゃんに、新八にゴリにマヨに…総悟?」

神楽は以前のように子供体系ではなく、すらりとした体に以前にはなかった豊満な膨らみが胸についていた。まさに、女の体。なんだか他人みてえ。

「皆久しぶりアルな!4年ぶり?」

「そのくらいだな」

土方がタバコを吹かしながら胡坐をかいた。しかし、俺が瞬きをした次の瞬間にはそのタバコの先は無くなっていて、万事屋の旦那は頬を引き攣らせながら神楽を見ていた。

「ここでの喫煙は、ご遠慮願うアル。私、タバコ嫌いネ」

タバコは吸わないようにしようと決めた瞬間だ。

「腕上げたみたいだなァ。神楽」

「うっさいアル。総悟だって、ちょっとは強くなったアルか?」

「当たり前でさァ」

「もうじきしたら地球に帰って来るアル。その時は、お相手を願うネ」

「あっちの方も、お願いしまさァ」

「死ねヨ!!」

「ツンデレ」

神楽は立ちあがるとエプロンをつけてキッチンへ向かった。他の誰もいなかったら良かったのになんて思ったのは俺だけの秘密だ。

「俺、ハンバーグ食いてえんだけど」

「偶然アルな。今日の夕飯はハンバーグにしようと思ってたところネ」

居間でがやがやしゃべっている野郎どもは放っておいて、チャイナがいるキッチンへと足を進めた。

たぶん、これが本当に2人っきりになるのはそう遠くないだろう。

だって、嫌でも結婚してもらうし?

後ろから神楽に抱きつく。ピクリと震える神楽は、甘い匂いがして気持ちよかった。


「不意を突くなんてセコいアル」

「テメーが悪いんでィ」


頬を染めて微笑む神楽の首筋に、唇を落として2人して笑ったのはもう少し後の事。





ジョバイロ

(躍らせれたのは私アル)



____________


ジョバイロ…私は踊る


なんて言うかですね。
沖田は神楽に躍らせれてる(神楽中心)って思ってるんですけど
実際は神楽が沖田に踊らされてる(沖田中心)って言うようなかんじに・・

はい。すみません。

これでクリリクは全て終わりです!
みなさん、本当にありがとうございました!!



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