微エロ…?とにかくすべて下ネタ(?)です
彼は一体なにをしたいのだろう。
ときどき、彼の考えている事が分らなくなってしまう時がある。彼自体が分らないのではないのだが…。たまに、本当にたまに、約2年間と少し共に生活をしているのにも関わらず、彼のしたい事が私の頭の中では理解不能なのだ。
たとえば、今もこうしてどんな流れでこんなコトをしているのか分らないが、2人一緒にベットの中に入り込んで、ついでに言えば彼の手が私の上半身をまさぐっているような格好になっているのだ。
私はそんな気分じゃないのに。
愛しい人とする行為なので、べつに必ずしもシテはいけないということではない。だって、私にだって性欲くらいあるのだから。ただ、考えてもらいたいのはこちらの意思だという事。今がそんな事をする気分にはなれないでいるのだ。なぜかって?
「今何時だと思ってるアルか」
ベットの隣に置いてある目覚まし時計の針は明け方の3時。人が熟睡するのは明け方らしいから、今は彼にとっても私にとってもかなり眠い状況のはずだ。それなのに、なぜこの男はこんなにもぴんぴんしている。眠くないのか?
「知ってるかィ?人間が夢を見始めるのは明け方近くからなんでさァ。そんで、俺も事の通り夢を見たんでィ」
「…一応聞いといてやるネ。どんな夢を見たんですか?総悟サン?」
「うわ。今の総悟サンもう一回言って。何か燃えてきた」
「勝手に燃えてろろヨ。…どんな夢を見たのか聞いてるアル。答えられないんだったらさっさと退くヨロシ。今明け方の3時ヨ?誰もが皆眠っている時間ネ。それにまだ寒いアル。どうしてこんな寒いのに誰かと肌を合わせるような事しなきゃイケないアル…ひゃッ!」
「寒いからこそだろィ?ほら、案外勃ってんじゃん。可愛い、ちょっとデカくなったかィ?」
「ど、どこ触ってるアルか!!そりゃあ毎晩襲ってくる旦那アル!デカくなるのも無理ないネ!…っそ…総悟ォ…手、冷たいアル…嫌だ。今はシたくないヨ」
へ、変な声がでちゃったかねーカ!
「そっちのが感じてるからいいんじゃね?なんか、何時もより可愛い。顔赤いしさァ」
「総悟が、そんなトコ触るからアル!!や、ヤダって。言ってるのに!」
そう言っても行為を止めようとしない彼に、呆れを通り越してこっちも変な気分になってきた。でもなんだか、彼に流されているような気がしてならない。私は負けるのが嫌なのだ。
向こうもSかもしれないけど、私だってSだ。いつまでも受け身なんてやってられない。
ドサッ・・・
「え?」
瞳をパチクリさせる彼。なんだヨ。そっちだって可愛いじゃねーか、女顔。でも、本当にたまーにだからね。本当にカッコイイって思う時がある。一緒にベットに潜り込んだ時に香ってくる彼の匂いとか、ふわふわした髪とか、神楽って呟いてくれる低い男の人の声。
彼の全てが私を支配するかのようにジワジワと迫ってくるのだ。本当、
「ずるい。ずるいヨ、総悟は。いつも私ばっかり。私ばっかり総悟に流されて、私総悟に侵食されてるアル。なんだか、私ばっかりいつまでも好きみたいで。総悟は私の事見降ろしてるのに、私はいっつも総悟を見上げてるネ。それ、なんか悔しい」
「…そういえばお前もSだったな。…それじゃあ何?今日は神楽が主導権握りたいのかィ?俺の上で、いつも以上に乱れてくれんの?」
「…うん。総悟のせいアル。さっきまで眠かったのに」
「まァ、たまには受け身なんて良いかもしんねーな。こっからだと結合部もしっかり見えてお前のマ……うぁ…」
私だってちゃんと出来るもん。
「…私の満足いくまで…ンンッ、…付き合ってもらうアル」
「…ばーか。…っ、ハァ…付き合わなきゃなんねーのはお前でィ。これだけで俺が満足すると思うなよ」
「…の、望むところアル。覚悟するヨロシ」
「威勢が良いのも今の内でさァ。すぐに気持ち良くしてやらァ」
* * *
「…結局流されたアル」
「やっぱりお前に攻めなんて出来るわけねーんでさァ」
コポコポとコーヒーをおそろいのマグカップにそそいでゆく。喧嘩して割れた歴代マグカップ達に継いでの現在23代目マグカップは、いたってシンプルなマグカップだ。始めは可愛いウサギさんがついたマグカップが良いと言ったのだが、すぐに割れるだろうと言って総悟が決めたのがこのマグカップ。
白いブラウス一枚で身を包み、コーヒーを入れる。なんだかこの前見た洋画のようなワンシーンだ。あの時も、その映画のラブシーンを見たとたんに総悟が欲情して襲われた。やっぱり流されてる。
「あれ、そう言えば神悟と総楽は?」
「あぁ。銀ちゃんの家アル。昨日からお泊りに行ってるネ。2人とも楽しそうに出て行ったアルよ。銀ちゃん先生だから、お勉強教えてもらうんだって」
「ふーん」
「何アルか。自分から聞いといて」
「あのさ、今日俺が見た夢の話なんだけどさ」
「あぁ…。どんな夢見たアルか?」
「それがさ。…もう一人デキちまった夢だったんでィ。それまでの過程もしっかりフルカラー無修正で」
あぁ、それで。
「だから、もう一人作っちまおうって思って。神楽も子供、好きだろィ?」
爽やかに笑う総悟はまるで純情な青年同様だ。こんな笑顔は、特に好き。もちろん、私も子供は大好きだ。でも、私より総悟の方が子供好きなのは知ってる。だって、近所の子供達と一緒に遊んでるのを見た事があるし、その時の総悟の顔は、これでもかっていうくらい素敵な顔をしてるから。
私たちの間に子供が出来たと知った時も、泣いて喜んでくれた。
だから、今みたいな顔で笑われたら『イエス』って言葉しか出てこないじゃないか。
やっぱり流されてる。でも、こんなに今幸せだから。
「神楽ァ」
「何アルか?」
「大丈夫でィ。ちゃんと愛してるから」
『好き』と『愛してる』
たまには流されてあげるのも良いかもしれない。だって、愛してるんだから!
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ゆい様!
遅くなってしまい申し訳ありません!
これって夫婦なんだよね?
ていうか微裏じゃないじゃん!微裏ってなんなんだよォォォオ!!
的な作品になってしまいました(・_;)
ゆい様のみ、苦情をお申し付けくださいませ…