「コーヒー飲みたい。淹れて?」

「は?ふざけんなヨ。コーヒーくらい、自分で作るヨロシ。私今手放せないアル」

「あーあ。新婚の時は何も言わずに淹れてくれてたのになァ」

何か最近冷たくね?おれ嫌われてんの?浮気すっぞコノヤロー。

「あーー!!!もう!五月蠅いアル!!!淹れればいいんダロ!淹れれば!!」

「気のきく奥さん持てて俺ァ幸せもんでィ」

「調子のんナ」

そう言いながらリビングを立ち去る神楽に、俺はニヤニヤとしながらその後ろ姿を見送る。

何時までも新婚気分ではいられない。

そう実感した瞬間だった。まぁ、神楽にとっては新婚時から思っていた事なのだろうが。

旦那にも、土方にも言われた事はあながち間違いではなさそうだ。

結婚して、1年が裕に経とうとしているし、神楽の俺に対する愛情がなくなってきた・・・なんて、考えらんねぇ。もしそうだったとしたら調教し直すか・・・。

「ほれ。コーヒー淹れてきたアル」

コトンと、優しくカップを置く神楽の手に自分の手を添える。

「な、何アルカ。いきなり」

顔。染めてない。俺、本当に嫌われてんじゃねえの?

「・・・いや、何でもねえ。コーヒーありがとな」

「・・・ね、熱でもあるアルか?」

「は?熱?んなもんねえよ。どうして?」

神楽は心底心配しているのか俺の脈を測ったりだとか、額に冷たい手を当てたりだとかとにかく触ってくる。

なに?狙ってんの?

「熱は、ないみたいアルナ。・・・なんか今日の総悟素直アル。気味が悪いくらい・・・」

「俺はいつも素直でさァ」

「うん。健全に頭が回転してるアルな。心配たアル。まったくもう・・・」

「心配?」

「うん」

「なぁ、神楽・・・」

ゴクン。と、唾液をのどに流す。これは聞いても良いものなのか。はたまた聞いてはイケないものなのか。

意を決して口を開こうとした時。唇に柔らかなモノが触れた。

なんだ。この感触。その感触はすぐに無くなってしまったが。感覚なら、まだ、ある。

唖然として目の前の神楽を見ると、顔を真っ赤にして俺を見つめる神楽とぱっちり目が合った。

「お前、アホアル。私が、好きでもない男と結婚すると思ったアルか?好きでもない男との、赤ちゃん、産むと思うアルか?」

「・・・・・思う」

「とんだアホアルな。離婚アル。今すぐ離婚アル」

「嘘でィ」

「好きに決まってんダロ。嫌いだったら、結婚もしてないし、今頃エイリアンハンターになってるアル」

「そう、だったな」

「コーヒーも、淹れてやってないネ」

「俺に頼まれて無理やり淹れてきてもかィ?」

「結局は自分の意思アル」

そうか。俺はこんなにも愛されてるんだ。嬉しい事じゃないか。

何時までも新婚気分じゃなくったっていいんだ。神楽が、俺の隣に居てくれるだけでそれはもう幸せなことなんだ。

「・・・じゃあ何かィ?さっき脈はかったのは本気で狙ってたわけ?」

「お前があまりにも素直だったから、本気で心配しただけアル。だいたい、お前心の声丸出し。全然心の声になって無いアル」

「・・・わざとでィ」

ほんと、バカアルな。

なんて。そんな綺麗な顔で笑われたらこっちだって勝手に頬が緩む。自慢のポーカーフェイスなんてどこへやら。

神楽の事が好き過ぎてもうヤバイ。可愛い。さっきだって・・・あ。

「なァ。もう一回してくんね?さっきのちゅー」

「な、嫌アル!もうしないネ!!」

そんな仕草一つ一つが可愛らしい。あーもう。どうしてこんなに可愛いんだ。天然か?天然なのか?

「じゃあさ。今日の晩飯は俺が作ってやっから。ついでに仕事帰りに酢昆布買ってきてやらァ」

「う・・・。す、こんぶは食べたいアル」

ほんと、何にも変わっちゃいねえ。

「な?30箱くらい」

「乗った!!!・・・・・あ」

そんじゃ。

「こっち、顔向けろィ。あ、お前がすんだぞ?さっきみたいにちゅーって」

「ぅぅぅうるさいアル!分ったから、目!目閉じるヨロシ!!」

分ったわかった。

そう言いながらも、薄っすらと目を開ける。

神楽の顔を盗み見ると、そこには顔を真っ赤にした、愛らしい彼女の表情。畜生。このまま押し倒してェ。

そのままの体制で、唇を合わせる。すぐに感触はなくなったが、でも、十分だ。あとは、帰ってからのお楽しみってことで。


「・・・早く、帰ってきてネ」

「おう。風呂、入っとけよ」

「バカ・・・」




plusmind

(あぁ。愛しい!!)





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蒼唯ちゃん・・・

こんなものでよかったら・・・

なんだか、スランプ中にこんな駄産物をささげるのは申し訳ない気がします(・_;)

苦情は蒼唯ちゃんノミ、受け付けです!

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