私は今恋をしている……らしい。

銀ちゃんに聞いたら、「傍から見たらバレバレだ」そう言われて、銀ちゃんが目の前に居るのに顔を真っ赤にした。

顔を覆う掌の隙間から、銀ちゃんの顔をのぞくとニヤニヤしていたので、顔を見せないように尾骨に蹴りを一発いれてやった。

いつもより、何倍もの力を出したつもりだったのに銀ちゃんには効いていないみたいだ。

「神楽もさ、そろそろ考えてやんなよ」

「意味がわからないアル。銀ちゃんもう授業でしょ?早く行かないと姐御に締められてしまうヨ」

「それはテメーもだろーが」

「今日は、おサボりをしなさいって、星になったマミーが言ってるアル」

「あ、そう。んじゃ、HRには戻ってこいよ。そんで、サボってる間にしっかり自分の気持ちを整理しなさい。今までの自分の過去を振り返るの」

「はーい」

屋上の重たいドアが閉まったのを確認すると、神楽はゴロリとひんやりと冷たいコンクリートの上へ寝転がった。

空が青い。

それはどうしてなんだろう。

銀ちゃんに言われた事を不と思い出す。私が恋してるのは銀ちゃん曰く、サドらしい。確かにサドとは仲がいいとは思う。

一緒に居ると楽しいし、話をしても話題が途絶えることなんてない。もしそんなのがあったら喧嘩をすればいいだけの事。楽しい時間がなくなることなんてないもん。

だから以前、サドが知らない女の子に告白されているところを見ると、私が知らないサドの時間があるみたいでちょっとだけ空しくなった。

だってサドは、私と一緒に居る時間が多くて私の知らないサドの時間があるなんて思っても無かったんだもん。

単純バカなんだって銀ちゃんに言われた時、なんだかムカついて勝手にイチゴ牛乳をのんだら(ペットボトルだから関チュー)次の日、どうしてか分からないけど銀ちゃんは顔にいっぱい痣が出来てた。

どこの誰かはしらないけれど、グッジョブアル。

「・・・どうして空は真っ青なんだろ」

どこからか聞こえてくる声に、ピクリと肩がはねる。聞いた事のある声。

あたりまえだ。だって、私は今そいつの事で頭がいっぱいなんだから。

いつココに来たんだろう。銀ちゃんが帰って行くのが聞こえたのが数十分前ということは数分前だろうか。

私がいる位置は、屋上のドアがある方面とは全く逆の位置にあるから、多分奴には気づかれていない。

「なんか、アイツ見てェな色」

アイツって誰だろう。空みたいな色の人って、誰だろう。

どんどん黒くなっている自分がいる・・・気がする。アイツの事を考え過ぎて、サドの事が好き過ぎて、自分が自分じゃなくなってる気がする。

あれ?私って、こんなにサドの事が好きだったんだ。

それじゃあ、この気持ちはサドはもう知ってた?

「サド!!!」

居てもたってもいられなくなって、ついに彼の前へ飛び出してしまった。なんて恥ずかしいことをしようとしているのだろうか。私は。

サドの肩がピクリと揺れる。なんだか可愛いな。

「好きアルゥゥウーー!!!」

今度はガバッと立ち上がったサド。あれ、なんかこっちに来てるアル。



「アホか。遅ぇんだよ。バカチャイナ」




きっと、私、今顔真っ赤。

だって、彼の瞳に映る私の顔が、真っ赤なんだもん。






赤の瞳に映る青

空が青いのはどうして?

そう聞かれても、答えられないのは、自分たちがまだ、この世界を知らないから

じゃあ、海が青いのは?

分からない

でも
しいて言うなら、それはきっと、その瞳に魅せられたから

なんて




絶対言わないんだけどね







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まぬ様へ捧げます。
以前リアルで書いた詩は
この小説の元ネタのネタです^^

銀さんフルボッコにしたのは沖田君です!

沖神要素は・・・微かにある?

ありがとうございました!
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