12月25は、俗に言うクリスマスだ。

いつもなら、この日は特に警備が強化される。なぜかというと?

どっかの頭の中が真っピンクの野郎たちのイケナイ行為を食い止めるためです。

まぁ、これは、『いつもなら』であって、もし、今日がその『いつも』ではないのなら、話は別だ。

たとえば、俺が、その頭の中真っピンクな野郎になったりだとか、その野郎たちのようなイケナイ行為をしちゃったりだとか。




* * * *




「土方さん、今日はちょいと用事があるんで、有給とりやす」

そう沖田が言いだしたのは、屯所の、土方の自室でのことだった。

「てんめ、ふざけんなよ。もういつも有給とってるようなもんじゃねえか」

「だから今日も有給とるって言ってんでしょ。用事があるって言ったんでさァ」

「用事ってぇのをしっかり言え」

「はァ。あんたは他人の恋路にも口出しするんですかィ?…………ちょいと、ジュエリー店に行こうかと…」

下をむいて、頭をかくようにする沖田に、土方は一瞬面を食らったが、すぐに顔を引き締めると、傍に置いてあったタバコを一本取り出す。

「…今回だけだ。行って来い」

溜め息をつくようにそう言うと、沖田は珍しく礼を言って部屋から出て行った。




* * * *




「行って来いとは言われたものの…」

沖田は、ジュエリー店で一人ポツポツとなにかをつぶやいていた。それを、店員が困ったような笑みで眺める。

「あの…。どう言ったものをお探しなんでしょうか?」

ニコりと微笑む店員に、沖田は考え込むように顎に手を当てると、小さな声で呟いた。

「結婚指輪をと思って…」

「それだったならば、こちらはいかがでしょうか?」

沖田は、店員が差し出した一つの指輪を眺めた。しかし、運命とか、そんなものが感じられない。

不と、隅にあった小さいけれど、たしかにそこにある指輪に目がいった。

「…これが良い…かも」

人差し指を、ゆっくりそれにピントを合わせる。

店員が、今度はしっかりと笑顔でかしこまりました。そう言った。




沖田は、小さな箱を掌へのせて、歌舞伎町内を歩き回っていた。

理由なんてたかが知れている。

所詮、彼女に会うためだ。何のために会うのかは、多分、もうすでに知られているだろう。

付き合って数が経つのだ。もうそろそろいいだろう。そう思った沖田は、彼女である神楽に今日買った指輪を渡そうとしているのだ。

「あ、総悟!」

手を振って、神楽がこちらへかけてきた。

赤いチャイナ服がひらひらと揺れる。うん。なんとも言い難いその太股のライン最高。

「神楽。ほら、クリスマスプレゼント」

「うわ!指輪アル!ごっさ可愛いネ!」

神楽は、沖田に渡された指輪を右手の中指にはめようとした。しかし。

「ばか。違ぇだろィ。てめーがつけんのはこっち」

「ふぇ…」

「なぁ。死ぬ時は、一緒に死ぬ。そう言う関係になれたら、幸せだ。…そう思わねえ?」

「は…、話について、いけない…アル」

「はァ、これだからバカは。……結婚しようって言ってんでさァ。分るかィ?『けっこん』って言葉」

「ば、バカは、お前アル!!………本当に、私でいいアルか?人間じゃないヨ?」

「神楽が好きなんでィ」

「……料理だって出来ないアル」

「是が非でも作らせてやらァ」

「……ふつつか者ですが、これからもよろしくお願いします……ヨ」

瞳いっぱいに涙をためた神楽が、笑いながら言った。

胸がキュンとなるのを沖田は感じ、神楽を精一杯抱きしめる。

何とも言えない感情に、一つ。小さな笑みがこぼれた。






季節外れのラブソング

それは小さな小さな物語






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こんな駄作を、公開、及び、捧げてしまっても良いんでしょうか?

良いんですか?いいんですか?


ミアーシュ様のみ、書きなおし請求可能です。


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