儚く淡い想いの先には泡しかないの?(続編)







俺は、どうして手を握ってる?どうして、この握っている手がこんなにも愛しい?
前までは、ただの喧嘩相手だったじゃないか。

チャイナが公園に来なくなってから二日後に、山崎がチャイナが入院したと聞かされた。
最初は、嘘なんじゃないかと思ったのだが、嘘なんかではなかった。

俺は、他の奴らとは一緒にお見舞いには行かず、時間をずらして毎日毎日面会時間終了ギリギリに行っていた。
だって、一番最後に行けば、たとえ眠ったまんまだとしても、チャイナが最後に『見る』のは俺で、俺が最後に見るのはチャイナだろ?

だからこうして毎日来て、手を握って、毎日同じ事を言って帰るんだ。
無駄な事かも知れないが、それでも俺は同じ事を続ける。




「だから、早く戻ってこい。」




皆がテメーが戻って来んの待ってんだよ。
旦那も、メガネも、姐さんも、近藤さんも、土方も、ザキも……俺も……。

もう、大事な人失うのは嫌なんだ。

だから……

早く……。




握った手から感じる温もり。
チャイナは生きてる。
しっかり生きてる。




「テメーを殺るのは俺なんでィ。」




片手をチャイナの頬に添える。
愛しくてたまらない。




「好きだ。あをたの事が…。」




目を覚まさない彼女の唇。
冷たくなんて無い彼女の暖かみ。


チュッとリップ音をたてて優しく口付けをした。






ギュッ…………





「……チャイナ?」






「………私、もヨ。」





王子様の口付けで目が覚める。

なんて、おとぎ話しのような事ないと思ってた。

でも、




「……キスで目が覚めるなんて、おとぎ話しみたいアル。」




そんなベタな展開でも、悪くないと思った。





いつでもハッピーエンドは王子様の口づけ



あなたなら、うけいれられるの





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