好きと○○の狭間 沖田…30、土方…36、銀時…36 急展開。 「最近、土方さんはチャイナとよく絡んでるみたいですけど、付き合ってるんですかィ?」 「気になるのか?」 キッチリと着こなした制服は、やはりどこか自身には似合わないようだった。出勤前、最近付き合い始めた彼女とケンカをした。付き合う前は素直に可愛いと思っていたが、付き合い始めてからというもの我ままで、どうも俺との相性は最悪のようだった。 「いいえ、別に」 「そうか、そういえば昨日神楽が言ってたな」 「神楽って…。名前で呼び合うよう…な…」 「俺が嫌いか、総悟」 煙草を吹かしながらそう言った。最近の土方さんは煙草を吸う回数が多くなったようなきがする。気のせいかもしれないが。 「どうしていきなりそんな話になるんでィ」 「お前から姉貴を奪った上に、今度は玩具をとられるのは嫌か?」 「…どういう意味だよ」 玩具ってなんだ。 「いくら彼女を作っても、自分が一番欲しいモノが手にはいらない。だけど俺はなんなく手に入れる。捨てるのも自由。そりゃそうだよな、もがいてもがいて苦しんでるのに、一番憎い野郎が簡単に玩具を手に入れて幸せになってんだ。嫌いになるのも分かるぜ」 だから玩具ってなんだ? 「神楽も俺に拾われて幸せだろうよ、俺に拾われたらもう苦しまずにすむんだから」 ぶつけようにもぶつけられない怒りがこみ上げた。玩具って、そういうことか? 「テメーは、チャイナを玩具として扱ってたのかよ!」 こいつを、本気で殺したくなったのは初めてかもれない。こいつは、チャイナを玩具としてみてるのか? チャイナが土方を好きなのは仕草でわかった。初めて出会ったあの日、どうして俺は土方と居たのかと後悔した日もあった。俺はチャイナが好きだった。 だけどチャイナは土方が好き。これじゃあ姉さんと同じことの繰り返しだ。どうして俺じゃなく土方なんだ、と。 「チャイナは本気でテメーのことを……!」 襟をつかみ上げて引き寄せた。殴りたくて仕方がなかった。けど――・・・。 俺が殴れば、チャイナが悲しむ。チャイナは本気で土方が好きだ。握りこぶしを無理やりに解いた。 「……神楽は、たしかに俺を好きだが、そういう好きじゃねえよ」 なにも考えらえない頭で必死に言葉を理解しようとしたが、やはり出来なかった。今は、何の言葉も頭に入らない。チャイナを玩具呼ばわりされたことにひどく怒りを覚えただけだ。 「テメーも、自分の気持ちに素直になりやがれ」 今日は本当に、最悪な一日だ。 「憎いねえ」 「ここは関係者以外立ち入り禁止だ」 「……神楽が、俺とお前は似てるって言ってた」 「そうか」 ポケットにしまってある煙草を取り出した。さっきの掴み合いでしわが寄ったハコを眺める。 「譲っちゃって良かったの?」 「良くねえ…。と言いたいところだが、脈のねえ恋はしたくねえし。…それに、俺はやっぱり一人がいい」 「男前だねえ、土方君は」 - - - - - - - - - - やっぱり土方さんは男前。そして沖田はガキ。 30になっても、オトメゴコロを理解できない、駄目な大人です。 前半の方は寝ぼけ眼で書いたので修正するかもしれません。 |