現パロ沖神/夫婦/子ども有。砂糖適量。














爽やかな朝を迎えたのは、いつぶりだろうか。

「今日はパパのお誕生日だから一緒に美味しいご飯作るアルよ。総楽は、玉ねぎのカワをおててで剥いてネ。神悟は、お兄ちゃんだからニンジン切れるよネ?」

「むけるよ!総楽ね、前パピーと一緒に玉ねぎむいたの!」

「総楽は偉いアルなぁ〜」

「僕だって、もうお兄ちゃんだからニンジン切れるもん!」

「神悟も偉い偉い!さぁ、二人とも美味しいご飯作ろうネ!パパが帰ってくる前に、飾り付けもいっぱいして、パパお帰りなさいって言ってあげるアル」

はーい!と、大きな声で返事をした総楽と神悟は、一斉にお手伝いを始めた。結婚してから早6年。2歳の総楽はもう少しで3歳になる。神悟はもう5歳だ。いつの間にか大きくなる2人の姿を見ると微笑ましくなるのは、どの親も一緒だろう。

2人が各々の手伝いをしている間に私は今夜のおかずを作ることにした。『今日はカレーを作る!』と意気揚々に言った子どもたちに、カレー作りは任せるとして…。

「ママは何を作るの?」

「ん?ママはね、クリームコロッケを作るアル。神悟も総楽も、クリームコロッケ好きだよネ?」

「うん!だーい好き!パパも好きだよ!」

ニコニコと話す神悟は、だんだんと総悟に似てきた。これも、成長が故。最初は私に似てたのにね。

「マミー。あのね、総楽もね、コロッケすき!」

「うん。だからいーっぱい作ってあげるアル!」

『やったー!』

「だから早くカレー作ろうネ。材料もいっぱいあるから、たくさん食べられるアルよ」

そう言うと、さっきよりも早いペースでお手伝いを始めた2人。こういうところは私譲りなのかもしれない。2人とも食べることが大好きなのだ。

「った!」

いきなり声を上げた神悟に慌てて駆け寄った。包丁で指を少し切ったらしい。

「大丈夫アルか?」

「大丈夫だよ。ちょこっと切っただけだもん」

「本当に大丈夫アルか?消毒する?」

「うん」

「にーに、イタイイタイ?」

「僕はね、総楽のお兄ちゃんだから大丈夫だよ」

総楽が心配そうに歩み寄る。よたよたと覚束ない足取りで歩く総楽の手を神悟が握った。いつの間に本当にこんなに大きくなったんだろう。

そして、怪我や失敗もたくさんあったが、無事にカレーを作ることが出来た。サラダもクリームコロッケも完璧だ。私ってやっぱり天才アル!

『ただいまー』

飾りに作った紙の花を壁に飾り終わると同時に総悟が帰ってきた。ドタドタと音を立てて走っていく子どもたち。やっぱり強がってもまだ子どもなんだ。

『パパ!おかえりなさい!』

「ただいま。今日もトッシーをやっつけて来たぜィ!」

「パピーかっこいい!総楽もトッシーやっつけるんだよ!」

「総楽は強いからきっと秒殺でィ!」

キャッキャとじゃれ合う総悟と総楽。そして、トテトテと歩いて戻ってくる神悟。何処となく寂しそうな…。たぶん、総楽にヤキモチ妬いてるアルな。

「神悟?パパのとこ行かなくて良いアルか?」

「うん。だって、いま総楽と遊んでるもん。僕はね、総楽のお兄ちゃんだからね、総楽大事にしなくちゃいけないからね、パパは大好きだけどね、総楽が最初なの」

にこにこ笑う神悟に、別に無理しなくても良いんだヨ。と言おうとして気がついた。

「でもね、パパは総楽だからね、ママは僕なの」

笑顔が黒かった。それはもう、総悟のように。

「…そ、そうアルナ。あ、ほら!早くご飯食べるアル!」

抱きつく神悟を抱っこしたまま、玄関でイチャコラしている総悟と総楽を呼び行く。

「総楽、総悟!ご飯食べるアルよー」

『はーい』







「パパ、お誕生日おめでとう!!」

「このカレー、神悟と総楽が作ったのかィ?」

「うん!僕がね、ニンジン切って、総楽が玉ねぎの皮剥いたんだよ!」

「へぇ〜神悟もりっぱなお兄ちゃんになったんだねィ。総楽もちゃんと手伝ってて偉い」

神悟の頭をワシャワシャと撫でる総悟の笑顔に、一緒に作ってよかったと本当に思った。最近は仕事の方が忙しそうで、毎日迫ってきた…ちゅ…、ちゅーも、ここ3日間は全く迫ってこなかったのだ。

最初の一日目は頭でも打ったんじゃないかと思ったがそうではないらしい。その日はいつもりよりくっついて一緒に眠ったけれど、疲れが垣間見えて総悟の助けになりたいと思った。

「あのね、総悟」

「ん?なに、神楽」

「ちょっと報告があるアル」

子どもたちがクリームコロッケを頬張っているのを横目に、総悟に近寄る。

「あのね…」

「ん、」

「……総悟、もう一人増えちゃったアル」

ブフッ!!

総悟が飲んでいたビールを盛大に噴出した。

「パピーきたなーい!」

「パパ汚いよ、ママに怒られる!」

「あ、あぁ。すまねえ。…って、神楽、マジ?」

「マジアル。…産んでも良いアルか?」

「あ、当たり前じゃねーか!神楽と俺の子どもなら、あと5人でも6人でも何人でも作ってやらァ!」

顔が真っ赤になるのを感じながらも、嬉しくて総悟に抱きついた。

「あー!僕のママなのに!」

「パピーとマミーらぶらぶー!」

笑いが飛び交うこの幸せはきっと、

「パパはいつだってママとラブラブでィ」

君がいるからで

「誕生日おめでとう、総悟!」

たぶんきっと、世界で一番幸せ!




幸せの気持ち






3人目は沖田と同じ誕生日という裏設定。
そごたん、おめでとう\(^o^)/

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